骨の健康のためにカルシウムは十分ですか？ (SQ-19)
私たちの多くが、強く健康な骨を維持し、骨粗しょう症を防ぐためにカルシウムとビタミンDの強力なコンビネーションが役立つことを知っています。しかし、他にも同様に有効で骨の健康に必須の栄養素があります。
特定の栄養素やマイクロ栄養素が提供する利点を考えるとき、多くの場合、それらの栄養素 のほとんどが、単体では動作しないという事実を軽視します。それらは手を取り合い、複雑だが最高にすばらしいハーモニーでお互いに協力します。栄養素間のこの相乗的パートナーシップは期待通りの健康目標を達成するために、個々の潜在的なロックを解除するのに役立ちます。マグネシウムとビタミンK2のような、よくあるビタミンとミネラルの相乗効果の例は、カルシウムとビタミンDと共に協力し、健康で良好に動作する骨格系システムを私たちに与えます。
- カルシウム
間違いなく、カルシウムは強い骨を構築し、体内の骨量の減少率を遅らせるのに必要な非常に重要なミネラルです。しかし、カルシウムが骨の健康をサポートするすべての功績を持つことはできません。実際に、カルシウムサプリメントにだけ依存することは、長期的にはむしろ害があります。
カルシウムは、効果的な代謝のために代わりにマグネシウムを必要とする十分なビタミンDが体内にある場合に、骨を構築する能力を最大限に発揮します。さらに、カルシウムサプリメントに関する多くの議論があります。血液や靭帯、筋肉、神経、関節腔および血管（動脈）などの軟組織中のカルシウム、または石灰化の過度の累積は悪いニュースです。それは痛みを伴う筋痙攣、慢性便秘、腎臓結石、心臓のリズムの問題、骨粗しょう症、関節炎および動脈またはアテローム性動脈硬化の硬化、心血管疾患の最も重大な危険因子の一つになることがあります。
これにより私たちはビタミンK2をいっしょに追加します。骨などの必要な箇所にカルシウムを配布するのを助け、軟組織のような「駐車禁止地域」から離れさせます。
興味が沸いてきましたか？それが私たちが話している栄養素においてのパートナーシップの種類です。次の主役はビタミンDです。
ビタミンD
ビタミンDは私たちの体がカルシウムと同様にリンを吸収するのにも役立ちます。それにより、構築と同時に強い骨の維持にも役立ちます。ビタミンDが不足すると、骨密度が低下し、年を取ると共に、骨折の影響を受けやすくなります。実際に、研究はビタミンDが骨の健康と骨粗しょう症防止に重要なだけでなく、心臓、脳、免疫システムの健康もサポートすることを明らかにしています。
骨と筋肉の健康を維持するビタミンDの役割への認識が強くなる中で、奇跡のミネラルであるマグネシウムが低下すると、ビタミンDを利用することができないことはあまり知られていません。 - マグネシウム
カルシウムとビタミンDの二人組は、健康な骨のために議論の余地なく重要ですが、それは結局のところ、体内に十分なマグネシウムが無い場合、これらの栄養素を効率よく利用することができません。まずマグネシウムがゲートキーパーとして機能し、カルシウムが必要な機能を実施後に細胞外マトリックスへ排出されることを確認します。次に、マグネシウムもカルシウムを調節するために甲状腺、副甲状腺と協力します。
血漿カルシウム濃度の上昇に伴って、マグネシウムはカルシトニン、骨保存ホルモンを放出する甲状腺を刺激します。マグネシウムの専門家であるキャロライン・ディーン博士は健康な骨におけるマグネシウムの役割において次のように述べています：「骨の健康に関するビタミンDとカルシウムの有効性に関する研究は、マグネシウム不在の分離された環境で実施されるべきではない。マグネシウムは、特定のホルモンカルシトニンを刺激することで、ビタミンDとカルシウムの相乗効果と共に機能します。骨の構造を保護し、血液や軟組織からカルシウムを排出して骨に戻し、骨粗しょう症、関節炎および腎臓結石を防止しする点は見逃すことができません。」
また、マグネシウムは副甲状腺ホルモン（PTH）の分泌を調節します。血漿カルシウムが低い状態の場合PTHは副甲状腺によって放出されます。そしてこれは骨の細胞に強い影響を与えます。カルシウムを血液中に放出し、体の他の部分で利用できるようにします。処理は高度に組織化され自己調節されているため、PTHの値が多すぎると、骨は血液中にカルシウムを放出し続けます。この結果、骨のカルシウム保有量は減少し、高気孔率の少ない骨量となります。この状態は骨粗しょう症と呼ばれ、もろく、壊れやすい骨の原因となります。
マグネシウム欠乏と骨粗しょう症の関係は、ニュートリエントが発表した2013年の研究でまとめられました。[1]「マグネシウム欠乏は、直接結晶形成と骨細胞によって、直接的に骨粗しょう症の原因となり、間接的には、副甲状腺ホルモンの分泌および活性、低度の炎症を促進する原因となります… まとめると、マグネシウム恒常性を管理し維持することは、骨の保全に役立ちます。」
栄養素が他の栄養素や補因子とどのように相乗的に作用するかの他の例は、マグネシウムとビタミンDの相互作用です。マグネシウムはビタミンDを生理活性形であるカルシトリオールに変換します。それはまた、重要で、ビタミンD代謝に関係する酵素の機能をサポートする必要不可欠な補因子として作用します。 - ビタミンK2
ビタミンKは血液凝固に必要な非常に重要な栄養素です。しかし、最新の研究は、この脂溶性ビタミンは、体内のカルシウムを調整することで、骨の代謝において重要な役割を果たしていることを強調しています[2][3]。骨の中にあるカルシウムを維持し、動脈から遠ざけることで、骨や動脈の健康を維持するのに役立ちます。
ビタミンK2は、オステオカルシンおよび、骨芽細胞によって分泌されるタンパク質、骨の合成や石灰化に関与する細胞であるマトリックスGLAタンパク質（MGP）を活性化します。MGPは、カルシウムイオンに対して強い親和性を有し、血管石灰化の強力な阻害剤です[4]。一方で、オステオカルシンはカルシウムを捕まえ、芽細胞が骨基質に統合する骨に誘導します。この行動により、骨の中のミネラル含有量が増加し、骨格を強靭にし、骨折しづらくします。
他の種類の骨細胞である破骨細胞は、必要に応じて骨細胞を破壊、リン酸と共にカルシウムを放出し体が利用するために血流中に流す役割があります。ビタミンK2が長期欠乏すると、破骨細胞は合成できるよりも多くの骨を破壊します。その結果、骨組織が徐々に失われ、骨の弱体化、また軟組織や動脈への過剰なカルシウム沈着が生じます。簡単に言えば、ビタミンK2活性化プロテインは、血管のように必要でない場所からカルシウムを除外しながら、必要な場所に配布する役割をします。
一言で言えば、あなたがカルシウムサプリメントの効果を最大限に引き出し、最適な骨の健康を達成したい場合は、カルシウム、ビタミンD、マグネシウム、ビタミンK12の適切なバランスを維持することが不可欠です。このバランスを維持することは、動脈における過剰なカルシウム沈着により誘発される、心臓発作や脳卒中のリスクを軽減するのに役立ちます。また、単独のサプリメントや健康的な食事を取ることだけでは健康な骨の状態を維持するために十分ではありません。ウォーキング、ランニングなどの体重負荷運動に従事することがもう一つの重要な方法です。
翻訳者: 千葉将臣
参考：
- Castiglioni et al. Magnesium and Osteoporosis: Current State of Knowledge and Future Research Directions. Nutrients. 2013
- Vitamin K2 & Healthy Bones. Vitamin K2.org
- Knapen MH, Drummen NE, Smit E, Vermeer C, Theuwissen E. Three-year low-dose menaquinone-7 supplementation helps decrease bone loss in healthy postmenopausal women. Osteoporos Int. 2013
- Schurgers LJ, Uitto J, Reutelingsperger CP. Vitamin K-dependent carboxylation of matrix Gla-protein: a crucial switch to control ectopic mineralization. Trends in Molecular Medicine. 2013
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