ビタミンDの利点:骨の健康以上のこと (SQ-37)
ビタミンDの主な機能は健康な骨を維持することです。これは骨の健康なミネラル、カルシウムとリンの吸収を調節します。しかし、新興の研究や調査はビタミンDが私たちの健康により大きな役割を持っていることを示唆しています。それは脳、心臓、肺、ホルモンや免疫系が上手く機能するのに役立ちます。簡単に言うと、ビタミンDは骨の健康だけでなく、全体の健康のために優れています。
低いビタミンD値は糖尿病、心血管疾患、1型糖尿病、2型糖尿病、免疫障害、うつ病、認知機能低下、自己免疫疾患、喘息、さらには癌を含む様々な健康状態に関係しています。実際、より多くの研究が妊娠中にビタミンDを補充することは、小児のアレルギー、喘息および喘鳴性疾患を減らすと示唆しています。
日光ビタミン
私たちの体は自身に必要なビタミンDを合成するにように設計されています。皮膚を日光に露出することで大量のビタミンDを生成できます。
- 日光は皮膚のコレステロールをカルシオル(ビタミンD3)に変換。
- ビタミンD3はカルシジオール25-ヒドロキシビタミンD3)に変換される。
- 腎臓はカルシトリオール(1,25ヒドロキシD3)と呼ばれるビタミンDの高活性および使用可能な形式へカルシジオールを変換。
コレステロールの合成を停止するスタチン薬やその他の薬を摂取している人たちは、自然にビタミンDを生成する過程で重大な問題を持ちます。肝臓や腎臓の機能に問題を持つ人たちも同様です。さらに、ほとんどの医師が教えてくれないことがあります。十分なマグネシウムがなければ、あなたの体はビタミンDを代謝的に有効な使用可能な形式に変換することができません。私たちのブログ記事のひとつで詳細を説明しています:
ビタミン
Dおよびマグネシウム
ビタミンDの事実の簡単なまとめ:
- ビタミンDは私たち自身が生成できるので必須のビタミンではありません。定義によると、ビタミンとは私たちの体が生成できない重要な栄養素で、食事やサプリメントから摂取する必要があるものです。ビタミンDは実際にはホルモンです。
- 日光への露出とサプリメントはビタミンDの最高の源です。食事だけでは健康な量を得ることができません。
- ビタミンDは体の200以上の遺伝子を調整し、健康上の幅広い役割を強調します。
- ビタミンDを実際のバイオ利用可能形式に変換するにはマグネシウムが必要です。
- 皮膚からビタミンDを生成するのに必要な日光からのUVB光線は、ガラスを通ることができません。
- 赤道から離れるほど、健康に必要なビタミンDを合成するために、より長く日光に露出する必要があります。
- 私たちの体は15,000〜20,000 IUの範囲で、何千単位のビタミンDを生成する能力があります。これは日焼けまたは皮膚が赤くなる時間までの半分です。
- SPF30の日焼け止めはUVB光線を効果的に防ぎ、日光ビタミンの生成を95%減少させます。
- UVB光線は午前10時から午後2時がピークで、ビタミンD生成に最高の時間帯です。
ビタミンDの利点
健康な骨
ビタミンDの最もよく知られている機能は、カルシウムとリンの吸収を調節することです。ビタミンDは骨の適切な鉱化のために必要なカルシウムの腸管吸収を向上させるのに役立ちます。不十分な数値は子供のくる病、成人の骨軟化症(柔らかい骨)などの骨格奇形を発症します。また、ビタミンDは大人の弱く、壊れやすい骨(骨粗しょう症)を防ぐのに役立ちます。
いくつかの研究は低いビタミンD値が高齢者の骨折リスクを増やし、ビタミンD補給をすることがそのような骨折を防ぐのに非常に有効であることを示唆しています。
より良い免疫
研究は、ビタミンDが免疫機能と多くの感染症に対する抵抗性に有効な効果を持つことを示唆しています。ビタミンD受容体とビタミンDを有効な形式に循環する変換に必要な酵素は、単球、マクロファージ、樹状細胞、T細胞およびB細胞などの免疫細胞の様々な種類を含む多くの細胞に存在します。[1]ビタミンDは、私たちの免疫防御を有効にし、先天性および適応の免疫の両方を促進します。例えば、マクロファージおよび単球の抗菌機能を促進します。ビタミンDは、カテリシジンのマクロファージの生産、感染症や結核上気道との戦いに有用であるタンパク質を刺激します。
日光ビタミンの効果は特に炎症性腸疾患、関節リウマチ、狼瘡、多発性硬化症および1型糖尿病などの自己免疫疾患および炎症性疾患において顕著です。
低血清数値は次に関係しています:
- インフルエンザ発症の高いリスク
- 上気道感染症[2]
- アレルギー、喘鳴や喘息のリスク増加
臨床栄養のアメリカジャーナルで2010年に発表された研究は、ビタミンDは学校の子供達のインフルエンザ発生率を低下させたことを示しました。2016年の研究は、健康なビタミンD数値と良い喘息管理には良い関係があり、コルチコステロイドを必要とする喘息発作を減らし、緊急病院や入院の可能性を減少させる可能性があると提案しました。[4]
心血管疾患のリスクを低減
ビタミンDおよび心血管疾患の間の関連を示唆している堅牢な科学的証拠があります。ビタミンDの欠乏は、心臓発作、鬱血性心不全、末梢動脈疾患、および致命的な脳卒中の危険因子と考えられています。
活性型ビタミンDはビタミンD受容体(VDR)と結合することによって、ステロイドホルモンとして作用します。VDRは、心筋細胞、血管平滑筋及び内皮細胞を含む多くの細胞に見出されます。現在の証拠は、ビタミンDが不足している人は心血管失火のリスクが高いことを示しています[5]。
ビタミンDサプリメントは、心血管の病気にかかるリスクを低下させることができます。
- 心機能を改善。
- 血圧を減少 [6]。
- 炎症を予防、動脈硬化を減少、血管の石灰化を防止することで関節硬化リスクを削減[7]。
- 腎臓患者が心臓病発症のリスクを減らすのに効果的。
最近の2016年の研究は、ビタミンD3を毎日摂取することは慢性心不全の人たちの心機能を改善することを発見しました[8]。心不全は心臓が正しい圧力で体中に十分な血を送れない症状で、疲労、息切れ、足首の腫れやその他の合併症を引き起こします。この5年間の研究は、β遮断薬、ACE阻害剤、ペースメーカーを含む従来の方法と実績のある治療方法で心臓病を治療した160人以上の人たちを対象としました。
良い気分と精神的健康
私たちは外出して日光を浴びると気分がよく幸せな気持ちになります。研究はビタミンDが気分を調節し、うつ病を抑えるのに重要な役割を果たしている可能性があることを示しています。研究はビタミンD不足がうつ病に影響があることを示しています。2013年の研究は、「「血清25(OH)Dレベルとうつ病のリスク間の逆相関。」があると結論づけました[9]。そしてより多くの研究がビタミンD補充は臨床的に重大なうつ病であると診断された患者のうつ病症状を軽減する効果があることを示唆しています[10]。
脳の多くの箇所には、精神的な不安、うつ病、認知症や高齢者の認知機能低下やアルツハイマー病を含む幅広い精神的な疾患のリスクを減らし、治療する役割を強調するビタミンD受容体を持っています。
健康な妊娠と健康な赤ちゃん
ビタミンDは健康な妊娠を維持するのに役立ちます。ビタミンD欠乏症を実証した多くの研究は、母親とその赤ちゃんに潜在的に悪い結果をもたらす可能性があることを証明しています。研究は、妊娠中にビタミンDを摂取することで、幼児期の喘息症状を減少させることを示しています。妊娠期のビタミンD欠乏症は次の結果ををもたらします[11]:
- 骨軟化症
- 帝王切開の可能性増加
- 妊娠中の細菌性膣炎の高リスク
- 発達中の胎児に対する骨の成長などを含む複数の健康障害
- 子癇前症のリスク増加
- 妊娠糖尿病のリスク増加
- 幼児の喘息、呼吸器感染症や喘鳴性疾患のリスク増加
体重及び血糖値の減少
ビタミンD欠乏症は肥満や2型糖尿病を発症するリスク増加の原因です。最近の2016年の研究では、ビタミンDが脳に体重を減少し、グルコース耐性とインスリン感受性を改善するように働きかけることを発見しました[12]。研究の代表者であるステファン・シスレーは、脳の領域である視床下部は体重とグルコース数値を制御する中心的な役割を果たし、そこにビタミンD受容体を持つと説明しました。
以前の多くの研究は低血清ビタミンD数値は2型糖尿病に関係していると指摘しています[13][14]。そして「ビタミンDは、インスリン分泌ITSおよびインスリン感受性に対する効果を介して耐糖能において機能的役割を果たし得る。」と考えられています。
2016年に発行された栄養研究は、低血清25-ヒドロキシビタミンD(25[OH] D)の数値が、2型糖尿病患者(T2DM)における微小血管合併症と独立した関連性があることを示しました[15]。微小血管合併症は、例えば末梢神経障害、腎症、網膜症は、糖尿病患者における共通だが危険な問題です。
ビタミンD欠乏症:貢献要因
あなたは安全、太陽への非露出、多くの生活スタイルで十分な量のビタミンDを獲得できますが、健康や環境要因がこの能力を妨げる可能性があります。次の理由で日光ビタミンDが不足しているかもしれません:
- 日焼け止めの使用
- 室内で多くの時間を過ごす
- ダークスキン
- 肥満
- マグネシウム不足
- 職業や服で日光露出を妨げる
- クローン病やセリアック病などの医療問題
- 牛乳アレルギー
- 厳格な野菜ダイエット
- 高齢
欠乏を克服
食品
非常に少ない食品が自然にビタミンDを含んでおり、食事は代替にはあまりなりません。鮭や鯖などの魚は良い量のビタミンDを含みます。ビタミンDを得る可能性がある他の食品は、マグロ、イワシ、卵黄、牛レバー、エビ、マッシュルーム、そして牛乳、オレンジジュース、シリアル、乳児用調製粉乳などの強化食品です。牛乳はビタミンDの強化をされていない限り、それ自体にはビタミンDの力がありません。
太陽露出に気を付ける
日焼け止めをしないで最後に日光を浴びたのはいつですか?日焼け止めはUVBを防ぐため、私たちの肌は何かでビタミンDを生成する必要があります。この分野の専門家は、午前10時から午後2時の間に、慎重に10分から15分間露出すると、体が十分なビタミンDを生成できると信じています。
腕、足、背中に日焼け止めをしないで週に2、3回、日光を浴びることは、自身でビタミンDを生成する最高の方法です。自然な方法でビタミンDを生成すると、体の中で2倍から3倍長持ちします。体が余分な分を排出するため、有害物質の危険性などもありません。もしあなたや家族の誰かが皮膚ガンを発症した病歴やリスクがある場合は、皮膚科医に相談してください。
サプリメント
生活スタイルの変更により、毎日日光を浴びることだけで十分なビタミンDを得るのは難しいです。もしあなたが日光をあまり浴びない場合は高品質ビタミンDを取ることは良い考えです。理想的には、ビタミンDとカルシウムを合わせて取ることが、強く、健康な骨にとって最善の方法です。ミネラルはカルシウムとビタミンD両方を調節する重要な役割を果たすため、私たちは忘れずにマグネシウムを取ることをお勧めします。
翻訳者: 千葉将臣
参考:
- Barbara Prietl, Gerlies Treiber, Thomas R. Pieber, and Karin Amrein. Vitamin D and Immune Function. Nutrients. 2013 Jul; 5(7): 2502–2521..
- Ginde AA, Mansbach JM, Camargo CA, Jr. Association between serum 25-hydroxyVitamin D level and upper respiratory tract infection in the Third National Health and Nutrition Examination Survey. Arch Intern Med. 2009; 169:384-90.
- Urashima M, Segawa T, Okazaki M, Kurihara M, Wada Y, Ida H. Randomized trial of Vitamin D supplementation to prevent seasonal influenza A in schoolchildren. Am J Clin Nutr. 2010
- Martineau et al. Vitamin D for the management of asthma. Cochrane Database Syst Rev. 2016
- Suzanne Judd, Vin Tangpricha. Vitamin D Deficiency and Risk for Cardiovascular Disease. Circulation. 2009.
- Vitamin D supplements can reduce blood pressure in patients with hypertension. European Society of Hypertension. 2012.
- Ioana Mozos, Otilia Marginean. Links between Vitamin D Deficiency and Cardiovascular Diseases. BioMed Research International. 2015
- Vitamin D improves heart function, study finds. University of Leeds. 2016.
- Ju SY, Lee YJ, Jeong SN. Serum 25-hydroxyVitamin D levels and the risk of depression: a systematic review and meta-analysis. J Nutr Health Aging. 2013
- Shaffer et al. Vitamin D supplementation for depressive symptoms: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Psychosom Med. 2014
- Adekunle Dawodu, Henry Akinbi. Vitamin D nutrition in pregnancy: current opinion. International Journal of Women’s Health. 2013
- Sisley et al. Hypothalamic Vitamin D Improves Glucose Homeostasis and Reduces Weight. Diabetes. 2016
- Alvarez JA, Ashraf A. Role of Vitamin D in insulin secretion and insulin sensitivity for glucose homeostasis. Int J Endocrinol 2010. Int J Endocrinol. 2010
- Afsaneh Talaei, Mahnaz Mohamadi, Zahra Adgi. The effect of Vitamin D on insulin resistance in patients with type 2 diabetes. Diabetology & Metabolic Syndrome 2013.
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26826427
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