糖尿病におけるクルクミンの効果 (SQ-73)
多くの高品質な研究が、クルクミンの優れた健康効果が特に心臓や脳において非常に優れていることを示しています。そしてクルクミンは酸化ダメージを減少させる能力(強力な抗酸化剤として)で体全体の健康を改善し、痛みや炎症を抑制します。
ターメリックで発見された生物活性化合物のクルクミンは、糖尿病や合併症の治療にも注目を集めています。アーユルヴェーダの全身治癒システムは、既にクルクミンを糖尿病治療の有効な治療薬と位置づけていますが、新興の研究もクルクミンサプリメントが通常の薬よりも治療効果が高く、治療だけでなく2型糖尿病の予防においても役立つことを示しています。
糖尿病は、体が十分なインスリンを産出できない、またはインスリンを適切に活用できない慢性的な代謝症状です。インスリンの役割は何でしょうか?
あなたの体は食べた食物をグルコースに変換し、それが血流に流れていきます。血液中のグルコース値が上昇すると、細胞が利用可能なグルコースをエネルギーに使用するための、インスリンを膵臓が放出します。これは血液中を循環するグルコースの量を減少させます。血液中に継続して高数値の糖分が循環されると、細胞はこの過剰な糖分の摂取を停止し、インスリン循環に対する抵抗を生み出すことで、高い血糖値とインスリン値の悪循環を引き起こします。これがインスリン抵抗性と呼ばれます。
糖尿病と慢性炎症
高血糖は血管に酸化ダメージを与え、体の炎症プロセスを引き起こします。血流中を循環する過剰な糖分は、タンパク質および脂質と相互に影響して、高度な糖化最終生成物(Advanced Glycation End Products)またはAGEを形成します。あなたの体はこれらの異常なタンパク質を認識できないので、免疫系にこれらのAGEと戦って排除するように警告をします。これが炎症反応のサイクルを引き起こし、最終的に欠陥やその他組織の慢性炎症を引き起こします。
酸化ストレスや慢性炎症は、臓血管疾患、インスリン抵抗性、肥満、2型糖尿病を含む多くの病気の根本的な原因です。それがクルクミンが強力な抗酸化剤や抗炎症剤で糖尿病やインスリン抵抗性を治療する重要な役割を果たす理由です。
糖尿病におけるクルクミン
研究の詳細なレビューは、クルクミンが様々なメカニズムによって、素晴らしい抗糖尿病効果を発揮することを示しました:[1]
- インスリン産生を刺激する
- インスリン感受性を改善する
- 血糖値を下げる
- 炎症を抑える
- ベータ細胞を酸化ダメージか保護して、その活動を改善する
- グルコース摂取の増加を助ける酵素のAMPキナーゼを活性化する
- 肝臓のグルコース産出を減少させる
クルクミンが炎症を抑える
Biomedical and Environmental Sciencesに掲載された2014年の研究は、クルクミノイドの補給は脂肪酸値を輸送し、炎症プロセスを抑制するに重要な働きをもつタンパク質の脂肪酸結合タンパク質(A-FABP)の数値を減少させることを示しました。研究は、「血清A-FABP、C反応性タンパク質(CRP)、腫瘍壊死因子-α、インターロイキン-6数値が大幅に減少する」と報告しました。[2]
それに加えて、2013年の研究は、クルクミンが血中の遊離脂肪酸(FFA)を減少させ、それによって血糖値を低下させることで、インスリン抵抗性を改善することを実証しました。研究は、「2型糖尿病におけるクルクミノイドのグルコース低下効果は、血清中の脂肪肝の減少によるもので、脂肪酸の酸化と利用を促進することによって生じる可能性がある」と結論付けました。[3] 遊離脂肪酸は炎症の原因となり、インスリン放出と血液中のグルコースの最適化を阻害します。
クルクミンは糖尿病の発症を予防する
Diabetes Careに掲載された2012年の研究は、クルクミンが糖尿病予備軍の人たちの糖尿病を予防することができることを発見しました。[4] 研究チームはクルクミンがフリーラジカルによる酸化ストレスから膵β細胞を保護して、その機能を改善することを発見しました。
クルクミンイよって治療を受けたグループは、全員のベータ細胞機能、インスリン感受性、グルコース耐性、A1C数値や血糖値が改善されました。
クルクミンは2型糖尿病を治療する
2009年の研究は、クルクミンが最も一般的な抗糖尿病薬であるメトホルミンよりも強力である可能性を発見しました。クルクミンが、AMP活性化プロテインキナーゼやAMPK(代謝を調節するマスター酵素)を活性化することによって、2型糖尿病を治療する助けになるることを示しました。AMPKはインスリン感受性を改善し、細胞によるグルコースの取り込みを増強します。 また、クルクミンは肝臓におけるグルコース産生に関連した、糖新生遺伝子の発現を抑制します。
別の研究は、メトホルミンと併用することで、ターメリックサプリメントが「血中のグルコース、酸化ストレス、炎症」に良い効果があることを示しました。[5]
翻訳者: 千葉将臣
参考:
- Ghorbani et al. Anti-Hyperglycemic and Insulin Sensitizer Effects of Turmeric and Its Principle Constituent Curcumin. Int J Endocrinol Metab. 2014
- Na Lx et al. Curcuminoids Target Decreasing Serum Adipocyte-fatty Acid Binding Protein Levels in Their Glucose-lowering Effect in Patients with Type 2 Diabetes. Biomed Environ Sci. 2014
- Na Lx et al. Curcuminoids exert glucose-lowering effect in type 2 diabetes by decreasing serum free fatty acids: a double-blind, placebo-controlled trial. Mol Nutr Food Res. 2013
- Somlak Chuengsamarn, Suthee Rattanamongkolgul, Rataya Luechapudiporn, Chada Phisalaphong, and Siwanon Jirawatnotai. Curcumin Extract for Prevention of Type 2 Diabetes. Diabetes Care. 2012.
- KSN Maithili et al. Efficacy of Turmeric as Adjuvant Therapy in Type 2 Diabetic Patients. Indian J Clin Biochem. 2015
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