ビタミンCとタバコ (SQ-3)
ほとんどの人達がビタミンCの服用は強力な免疫システムの構築に役立つと信じていると思います。しかし、喫煙する場合は、喫煙の有害な影響と戦うために、のこの重要なビタミンがより多く必要になります。
タバコの煙はほとんどすべての臓器に悪い影響のある4,000以上の化学物質が含まれています。50以上は発がん性物質であると見なされています。喫煙者が肺、口、膵臓、腎臓、喉頭、食道および膀胱のがんを含む、様々なタイプのがんを発症する危険にさらされていることに驚きますか?また心臓や呼吸系の病気にも強く関連しています。
あなたが喫煙しないのであれば良い知らせです。しかし、もし喫煙者と一緒に生活をしている場合、受動喫煙でさえも非常に有害です。小児肥満 [1] の雑誌に掲載された最新の研究では、二次喫煙にさらされる子供が肥満になるリスクを高め、認知発達を妨げることを示しています。研究はまた、受動喫煙の子供における高い体脂率は、心血管疾患および糖尿病を発症するリスクを拡大することを示しています。
喫煙は体内のビタミンCを奪う
あなたはたった一本のタバコで体内のビタミンC 25mgを失うことを知っていますか?研究によると、喫煙は体内のビタミンC数値を奪い、実際に非喫煙者より喫煙者の方が速く奪われる事が分かっています。ある研究では、タバコの煙を6回吸っただけで血漿(血液)から完全にビタミンCが失われることが示されました[2]。
タバコの煙に含まれるニコチンや他の有毒物質は細胞レベルの破壊を引き起こす原子結合を作成します。- これは炎症反応と慢性炎症、がんおよび心臓血管疾患などの多くの慢性変性疾患の進行を開始します。私達の体は利用できるビタミンCプールをこの酸化ストレスの効果を中和するのに使用します。煙に含まれる有害物質だけでなく、炎症反応の両方から生じたストレスであるために、ビタミンCが速く失われます [3]。言い換えれば、喫煙は体に圧倒的な酸化ストレスを与えるだけでなく、明らかに抗酸化サポートを増加させる必要がある喫煙者に対して、ビタミンC、および他の抗酸化剤の代謝を減少させます。
喫煙者に対してビタミンCはどのように有効か?
- 酸化ダメージから守る
脂質、リポタンパク質、DNAのような脆弱な生物学的分子は、喫煙者はより酸化の影響を受けやすいです。脂質酸化がアテローム性動脈硬化症の進行の初期マーカーとして考えられています。実際、研究は、喫煙者がF2-イソプロスタン、脂質過酸化を誘導し、フリーラジカルによって生産プロスタグランジン様化合物の量を増加していることを示しています[4]。F2-イソプロスタン数値は、したがって、生体の脂質過酸化および冠状動脈性心臓病の危険因子の潜在的指標として考えられています[5]。
ビタミンCの高い摂取量 (2500 mg/日)は、喫煙者におけるイソプロスタンの形成を制限するのに効果があることが判明し、ビタミンCの補充はタバコの煙によって引き起こされる酸化ダメージに対して血漿脂質を保護するのに役立つことができることを示します[6]。抗酸化剤として、ビタミンCは、タバコの煙のような毒性物質の影響を低減し、また、がん発生の段階を設定するDNAの破壊を阻止するという巨大な可能性を秘めています。 - 喫煙者の血管拡張を向上させる
喫煙は血管内皮機能を損ない、アテローム性動脈硬化症、高血圧症および心血管損傷の進行の大きな原因となります。タバコの煙中にあるフリーラジカルを大量に伴うニコチンや有害な化学物質は冠状動脈の縮小を引き起こします。喫煙によって誘発される酸化ストレスの増加は内皮(血管の内皮)の筋肉をリラックスさせるのに役立つ、内皮由来一酸化窒素の生物学的利用可能性(NO)と分子を減少させる可能性があります。
ビタミンCは、例えば超酸化ラジカルの破壊、細胞内グルタチオンの保護、人の内皮細胞のNO合成の生成を増加させるなどの異なるメカニズムの組み合わせで、内皮機能と血管弛緩を改善します[7]。
研究では、ビタミンCは喫煙者の上腕動脈の内皮依存性血管拡張を改善することを示しています[8]。そして研究は「上腕動脈の内皮依存性血管拡張が喫煙者において損なわれ、この障害は、ビタミンCの投与によって改善されている。」と結論づけています。別の研究では、抗酸化ビタミンCが慢性喫煙者における内皮依存性応答を著しく向上させる」ことを示しています。この研究は、慢性喫煙者における内皮機能不全を少なくとも部分的に酸素由来のフリーラジカルの増強形成によって媒介されるという概念をサポートしています[9]。研究はまた、喫煙は内皮細胞への単球の付着を増加し、2,000mg/日のビタミンCを摂取することで、ビタミンCの血漿中濃度を復元し、内皮細胞への単球の付着を減少させることを示しています[10]。 - 妊娠中の喫煙の影響を減少
妊娠中に喫煙し続けた母親から生まれた新生児は大人の喫煙者と同じ量のニコチンが血液中に含まれることを知っていましたか?そして赤ちゃんが生まれて数日間その症状を抜け出すのに苦労することは?受動と能動両方の妊婦の喫煙は早産、低出生体重、流産の原因にさえなります。
また妊娠中の喫煙は胎児の肺の発達に影響を与え、肺機能に対する生涯的な悪影響と喘息を発症するリスクの原因になります。これが喫煙しない母親から生まれた子供に比べて、そのような子供達が呼吸器疾患、風邪、耳の痛みなどの病気に苦しむ理由です。「出生時、喫煙する母親から生まれた新生児は肺機能検査(PFT)結果、呼吸の流れ、肺の柔軟さ、代替の呼吸パターンの減少が見られます。これらの変化は喘鳴、肺感染による入院、小児喘息発生率の増加につながります。」[11]。
禁煙することが理想の解決策ではありますが、研究によるとビタミンCサプリメントは新生児への喫煙の影響を減少させることを示しています。「妊婦がビタミンCサプリメントを摂取することで新生児のPFT結果を向上させ、1歳までの喘鳴を減少させます。妊婦に対するビタミンCは新生児の肺機能および呼吸器合併症における妊婦の喫煙影響を減少させる、高価でなく、シンプルな手段です」 - 再活性化ビタミンE
タバコの煙に含まれる有毒物質によって誘発される酸化ストレスは喫煙者における抗酸化剤の重要性を強調しています。ビタミンC自体が強力な抗酸化剤ですが、もうひとつの強力な抗酸化剤であるビタミンEを体内で再利用するのにも役立ちます。ビタミンCは、心臓発作の予防に重要な役割を果たし、また、酸化的損傷から呼吸器系を保護します。その抗酸化特性に加えて、ビタミンEはまた、単球 - 内皮細胞接着および炎症性サイトカインの放出を低下させるなど、他の抗炎症活性を表します。また体は強力な免疫システムを維持するためにビタミンEを必要とし、これは喫煙者にとってもうひとつの重要な要素です。 - CRP数値の軽減
喫煙はC反応タンパク質(CRP)、心血管疾患のリスクを高める炎症性バイオマーカーの数値を増加させます。ビタミンCはこれらの過度のCRPレベルを下げるのに役立ちます [12] 。 - 手術や病気からの早い回復
体内のビタミンC濃度は怪我、外傷、手術によって減少します。これは体に対する酸化ストレスに原因があると思われます[13]。そのようにビタミンCはこのような状況でとても必要とされます。- そして喫煙者の場合はより多く必要です。非喫煙者に比べて、喫煙者は体内に十分なビタミンCがない場合は、回復にかかる時間が長くなり、怪我に関連する合併症(感染症など)を発症するリスクが高まります。さらに、ニコチンは血管を収縮させることで知られており、このため治癒組織へ運搬される酸素量が減少します。
ビタミンCは体が手術や傷から早く回復するのを管理するのに役立ちます。そしてコラーゲンの生成を刺激することによって、傷や傷跡を癒し、免疫システムを高めることで感染症に対する抵抗力を高めます。また血管をリラックスさせる効果があり、早く回復させるために外傷部分へより多くの酸素や栄養を運搬します。 - 禁煙のお手伝い
短い期間にビタミンCを補給することはニコチンの禁断症状を軽減し、肝臓や腎臓からカドミウムや鉛などの他の毒素をニコチンといっしょにきれいにする効果さえあります。またビタミンCは副腎の役に立ちます。これは禁煙時に体に対する追加ストレスがかかることに対処します。実際、副腎は体内のほかの場所に比べて、血液中のプラズマ数値の100倍以上にあたる高濃度のビタミンCを保有します。
これらすべての健康リスクを避ける一番の解決策は結局は喫煙です。しかしニコチンの依存症を考えた場合、その習慣を止めるには時間がかかり、不可能な方もいらっしゃいます。ビタミンCを補給することは様々なリスク要因を減少させ、喫煙者への健康を提供します。
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翻訳者: 千葉将臣
参考:
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