不眠症 – 第一部: (SQ-52)
不眠症はどのぐらい悪影響がありますか?
仕事のプレッシャーや混乱した生活によって、1日、2日良く眠れない経験が誰にでもあると思います。しかし、毎日良く眠れない場合は何が起きるでしょうか?
不眠症は世界の何十億人に影響を与える睡眠障害で、健康、生活の質、寿命にさえも影響を与えます。不眠症の人たちは寝付けなかったり、何度も起きたりしてしまいます。その結果、身体、感情と精神に必要な時間より少ない睡眠となります。日中の過度な疲労、眠さ、低い生産性、イライラなどは氷山の一角です。不安定な睡眠はこれ以上のダメージを引き起こします。
慢性的な睡眠不足は私たちの体に雪だるま効果を与えます。高血圧、糖尿病、肥満、うつ病、心臓発作、脳卒中、癌、さらには死亡リスクの上昇に影響します。
なぜ夜に眠れなくなりますか?
多くの要素が私たちの概日リズムとも呼ばれる自然な睡眠/起床サイクルを妨げます。例えば:
- 心配、不安、恐怖を含むストレス
- ホルモン障害
- コーヒー、紅茶、エナジードリンクなどの覚醒成分
- 携帯電話、ノートPC、その他電子機器の就寝前の使用
- 座りがちな生活スタイル
- 悪い睡眠習慣
- 特定の薬やハーブ
- 病気や疾患
睡眠薬を飲みたくなりますか?これは眠りにつくのを助けますが、短期的な効果で、長期的には深刻な欠点があります。これらの要素を改善して睡眠を取り戻す方が良いです。
ところで、どのぐらいの睡眠時間が必要でしょうか?
本当に十分な睡眠量をピンポイントに言うのは困難です。あなたの年齢、生活スタイル、職業、もちろん健康状態にもよります。National Sleep Foundation は、それぞれの年齢で必要な睡眠量のガイドラインを提示しています。[1]
不眠症はどのぐらい悪影響がありますか?
長期間の睡眠不足はどんな問題を引き起こすのでしょうか?たくさんありそうですね。
私たちの体は睡眠中に重要な回復機能を行います。実際、睡眠中は積極的な修復、再生、解毒モードになります。なぜ良い睡眠が必要かを証明する睡眠中に裏で行われている重要な活動を見てみましょう。
ホルモンの役割
私たちの体は睡眠中に異なるホルモンを放出します。
睡眠中には多くのヒト成長ホルモン(HGH)が放出されます。ヒト成長ホルモン(HGH)には多くの機能があります; 小児期の成長や発達のエネルギーとなります。一生を通してタンパク質の合成、修復の助け、細胞組織、筋肉、骨の管理に影響します。また、ヒト成長ホルモン(HGH)は他のホルモンと作用して、脂肪分解と筋肉増強を行います。メラトニンと呼ばれるもう一つの重要なホルモンが寝る前に放出されます。メラトニンは就寝時間の信号を送り、強力な抗酸化剤として作用します。フリーラジカルと戦い、がん治療による副作用とさえも戦うことがしられています。[2]
睡眠は血流中にあるグルコースを活用する細胞を助ける、ホルモンインスリンを制限します。また良い睡眠は、グレリン、レプチンなどの空腹抑制ホルモンを増やします。夜中に起きているとしょっぱい食べ物や甘い食べ物を食べたくなったことがありませんか?睡眠不足はグレリン(食欲を増やすホルモン)を増加させ、レプチン(食欲を抑制する)を妨げます。
コルチゾールはとても悪評のあるストレスホルモンです。しかし、夜間に放出されると、ストレス状況に対抗するための警戒を増大させます。体が必要な時に「戦闘モード」に入れるように準備します。体が休息モードのときにはこのホルモンに関わりたくはありません。コルチゾール濃度が就寝時に低くなるのはそのためです。しかし、このホルモンは起床時間の直前である睡眠の最後のステージでピークに達します。一日の始まりのために体を警戒させ元気にするためです。コルチゾールは他のメカニズムと共に、代謝や免疫系の調整作用をします。
プロラクチンやオキシトシンなどの多くの他の睡眠中に放出されるホルモンがあります。これらは様々な体の機能を自身でサポートする重要な化学物質です。
睡眠は免疫系も強化する
睡眠中、私たちの免疫系もフル稼働しており、ナチュラルキラー細胞と呼ばれる特殊な種類の免疫細胞を産出します。これらの細胞は免疫系が感染症、がんを含む慢性疾患と戦うサポートをします。
睡眠中の脳の働きはどうでしょうか?もし脳が面白い夢を見せるためだけに活動していると思ったらそれは間違いです。休息している睡眠時でも、脳は新しい記憶を定着させ、日中に収集した情報を処理し、不要な情報をフィルタリングして役に立つ情報を保持します。
睡眠不足と健康リスク
何日もぐっすりと睡眠することで何ができるか想像できますか?非常に多くの睡眠効果を与えます。オーケストラのような滑らかさで体のたくさんの処理をします。私たちの体が必要な修復やメンテナンスを十分に行えない場合、元気に次の日を始めることができません。
私たちはぐったりと目を覚まします。私たちの休暇を楽しむための記憶や能力、合理的に考えて適切な判断をする力。蓄積されたコルチゾールがいつも体を高い警戒状態にします。過度のコルチゾールは、心臓血管疾患、肥満、糖尿病および高血圧に影響します。良い睡眠を妨げられると、メラトニン、インスリン、グレリン、レプチン、プロラクチンを含む他のホルモンを混乱させ、免疫系、代謝、脳の健康、心臓血管系に悪影響を与えます。
確かに長期の睡眠不足は不眠症の患者に多く見られ、私たちの健康に長期的な影響を与えます。不眠症の人たちは、C反応性タンパク質やインターロイキン6などの炎症マーカーの高い数値、代謝障害、免疫系の弱退化、感情や精神の不安定があります。
そしてこれらの研究があります。
- 2015年に発行されたjournal Hypertension は、慢性不眠症の人たちが高血圧リスクを増加することを発見しました。 [3]
- 2014年の研究は、睡眠障害がない人たちに比べて、不眠症の人たちは脳卒中の可能性が高いことを発見しました。[4]
- 2014年の研究は、不眠症は心血管疾患が原因の死亡リスクを高めることを発見しました。 [5]
- 2015年の研究は、睡眠障害は、糖代謝障害、インスリン抵抗性、2型糖尿病発症リスクに影響があることを示しました。[6]
- 最近の2016年の研究は、不眠症がうつ病に影響することを示しました。[7]
まとめると、慢性的な睡眠障害や不眠症は次のリスクがあります:
- 早期老化
- 心血管疾患
- 高血圧
- 脳卒中
- 糖尿病、インスリン抵抗性
- 肥満
- うつ病、不安
- ホルモン機能の障害
- 性欲の減退
- 免疫不全
- がん
それではどのように高品質の長い睡眠を得られますか?自然で質の高い睡眠について次回の記事でご説明します。
翻訳者: 千葉将臣
参考:
- Hirshkowitz et al. National Sleep Foundation’s sleep time duration recommendations: methodology and results summary. Sleep Health. The Journal of National Sleep Foundation. March 2015.
- Ulkan Kilic, et. al., “Melatonin suppresses cisplatin-induced nephrotoxicity via activation of Nrf-2/HO-1 pathway,” Nutrition & Metabolism 2013, 10:7
- Yun Li, Alexandros N. Vgontzas, Julio Fernandez-Mendoza, Edward O. Bixler, Yuanfeng Sun, Junying Zhou, Rong Ren, Tao Li, and Xiangdong Tang. Insomnia With Physiological Hyperarousal Is Associated With Hypertension. Hypertension, January 2015 DOI:
- Ming-Ping Wu, Huey-Juan Lin, Shih-Feng Weng, Chung-Han Ho, Jhi-Joung Wang, and Ya-Wen Hsu. Insomnia Subtypes and the Subsequent Risks of Stroke: Report From a Nationally Representative Cohort. Stroke, April 2014 DOI: 10.1161/STROKEAHA.113.003675
- Sofi F, Cesari F, Casini A, Macchi C, Abbate R, Gensini GF. Insomnia and risk of cardiovascular disease: a meta-analysis. Eur J Prev Cardiol 2014;21:57-64.
- Strand et al. Sleep disturbances and glucose metabolism in older adults: the Cardiovascular Health Study. Diabetes Care 2015;38:2050–2058
- Li L, Wu C, Gan Y, Qu X, Lu Z. Insomnia and the risk of depression: a meta-analysis of prospective cohort studies. BMC Psychiatry. 2016;16:375. doi:10.1186/s12888-016-1075-3.
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