十分なビタミンK2を摂取していますか? (SQ-76)
ビタミンK2の話をするとき、普通は血液凝固の作用があるビタミンK1を意味します。しかし、基本的にビタミンKは、ビタミンK1とビタミンK2を含む様々な形態の必須脂溶性ビタミンのグループです。
ビタミンK2には多くの共通の誤解があり、残念なことに、私たちの健康と生活に必要なこのビタミンの重要さが見落とされています。
神話1:ビタミンK1とK2は同様の作用と健康効果がある。
真実は、あなたの体は両方のビタミンに全く違う扱いをします(専門家の一部は、ビタミンK2がK1よりも血液凝固作用があるとさえ指摘しています)。ビタミンK1は肝臓に到達して、血液凝固に必要なタンパク質を産生します。一方で、ビタミンK2は肝臓以外の組織にも到達して、より多くの作用を行い、あらゆる健康効果をもたらします。
神話2:緑の葉野菜をたくさん食べていれば、ビタミンK2の摂取について心配する必要ありません。体が食事から摂取されるビタミンK1の一部を、K2に変換するからです。
これについてもメリットはありません。両方のビタミンは全く異なる供給源を持ちます。あなたの体は適切な数値を達成するために、効果的にK1をK2に変換することはできません。ビタミンK1(フィロキノン)は、ケール、ホウレンソウ、マスタードグリーン、ブロッコリー、ブリュッセルの芽などの緑色の野菜に含まれています。 K1はいくつかの果物と穀物にも見られます。 ビタミンK2(メナキノン)は、発酵食品および動物性製品に含まれています。
ビタミンK2に話を戻すと、過去何年間に渡って、研究者はビタミンの重要な情報と、多くの一般的な症状に役立つ可能性を発見しました。- これには骨粗鬆症、心臓病(動脈石灰化による)、がん、骨粗鬆症、リウマチ様関節炎、認知症が含まれます。[1]
ビタミンK2の特徴
- ビタミンK2はMK4からMK13という多くの他の形態で存在します。Mはメナキノンを示し、その数はその分子に何個の側鎖が結合しているかを示します。
- MK4は肉、卵、乳製品(草食動物由来)などの動物性食品に豊富に含まれています。
- MK7は発酵食品に豊富に含まれています。大豆を発酵させた食品の納豆は、MK7が豊富に含まれています。ザワークラフトやチーズも主要な供給源です。
体がMK4とMK7をどのように代謝するか、それらのバイオアベイラビリティ(例えば、MK7はMK4より長く体内に残ります)や効果には大きな違いがあります。これらの違いについては他のブログ記事で詳細をご説明します。私がここで注目したいことは、ビタミンK2欠乏症の兆候と、十分に摂取しない場合に発生する健康状態についてです。
ビタミンK2欠乏症の兆候
実際、ほとんどの人たちは
ビタミンK2が不足しています。残念ながらK2が不足しても特に痛みのような症状に現れないので、少なくともすぐに不足していることをピンポイントで知るのは難しいです。しかし、不足にさせる要因や、数値の低下による症状(例:骨の健康の低下)を理解することで、ビタミンK2の状況を予想することができます。
ビタミンK2 欠乏症の危険因子
- ビタミンK2不足の食生活: ほとんどの人たちは、ビタミンK2が豊富な食事をしていません。
- 血液の抗凝固剤の過剰使用: 心臓病患者はよくワルファリン(Coumadin )のような血液の抗凝固剤を処方されます。これは血液凝固に影響するビタミンKの合成を防ぎます。それがワルファリンの作用で、血液の凝固を遅らせます。
- 長期的、頻繁な抗生物質の使用: 抗生物質は、ビタミンK2を産生を助けるだけでなく、その吸収にも重要な役割を持つ腸内の健康な最近を破壊します。
- 吸収の問題: セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、腹部手術、腸の不全症(悪性細菌の過剰増殖)などの胃腸の問題も、欠乏症によって引き起こされます。これらの問題はビタミンK2(そして健康に必要なほかの栄養素)の健康な吸収を妨げます。
- 肝機能障害: 肝硬変などのあらゆる種類の肝疾患は、ビタミンK依存性因子の合成を妨げます。
- スタチンの使用: 研究によると、コレステロールを低下させる薬であるスタチンは、ビタミンK2の吸収を阻害することを示しました。それはスタチンの基本的な作用が、肝臓がコレステロールを産生するのを助ける酵素を阻害することであるからです。しかしこの酵素は、ビタミンD、CoQ10、ストレスホルモン、胆汁酸、そしてもちろんビタミンK2などの、多くの他の化合物を産生する巨大な生物学反応の基礎となります。
- 低脂肪な食事: K2は脂溶性のビタミンなので、低脂肪な食事をする人たちは、ビタミン吸収における問題があります。
ビタミンK2欠乏症に関連する健康状態
- 骨粗鬆症と骨折リスクの増加
カルシウムとビタミンDの組み合わせだけでは、体に十分なビタミンK2値がない限り、骨粗鬆症予防に十分ではありません。実際、ビタミンD(カルシウムの吸収を助ける)は、K2(駆るシムを必要な場所に移動し、不必要な場所から排除する)との完璧な組み合わせで作用します。
カルシウム摂取(心臓発作、脳卒中、腎臓結石、筋けいれん、便秘など)に伴う健康リスクは、カルシウムそのものではなく、マグネシウム、D3、K2などの他の栄養素とのバランスが崩れることが原因です。これらの栄養素はお互いに作用して、体が最も効率的にカルシウムを吸収して使用するのを助けます...そうでない場合、カルシウムは望ましくない場所に蓄積されます。
研究は、カルシウム – K2 – D3の組み合わせが、骨の強度を改善して、骨折のリスクを減少させることを示しています。実際、日本でビタミンK2は骨粗鬆症の治療に推奨されています。さらに、ビタミンK2が月経後の女性の骨量の減少を助けることが示されています。この研究は、ビタミンK2の補給が、骨粗鬆症のない健康な月経後の女性において、骨ミネラル含有量、骨密度、骨強度を改善することも示しました。[2]
ビタミンK2は骨の健康にどのように作用するのでしょうか?
ビタミンK2はオステオカルシンを活性化します。これは骨芽細胞と呼ばれる骨形成細胞によって産生されるタンパク質です。オステオカルシンは血流中を循環するカルシウムに付着し、健康で強い骨を構築するのに役立つ骨基質に送られます。 - 心臓の健康不良と心臓発作や脳卒中のリスクの増加
ビタミンK2の数値が低いと、心臓の健康にも驚くべき影響があります。それはK2がカルシウムに付着し、血管や軟骨のような軟組織に侵入するのを防ぐタンパク質である、マトリックスGLaタンパク質(MGP)を活性化するからです。MGPは動脈の石灰化を防ぐ最も強力な阻害剤の一つとして知られています。これは冠状動脈性心疾患の非常に強力で、独立した危険因子です。
ビタミンK2欠乏症はMGPの働きを損ない、動脈中(そして他の軟組織)に異常で過剰なカルシウムの蓄積を引き起こします。有名なロッテルダムの研究や、たくさんの他の研究は、ビタミンK2の摂取量を増やすと、動脈石灰化と心臓病による死のリスクを低減させることを発見しました。[3][4] - がん
いくつかの研究は、K2が複数のメカニズムで、様々ながん細胞に対して抗がん作用を発揮することを示しています。ビタミンK2には遺伝子の発現を調整する働きがあり、これらの抗がん作用をもたらすと考えられています。以下の効果を示します:
- 白血病細胞におけるアポトーシス(細胞の死)と分解を誘導する [5]
- 進行性前立腺がんのリスクを軽減する (しかしビタミンK1の高用量摂取はこの効果がない)。[6]
- 肝臓がんの再発を抑制する [7] - 2型糖尿病
観察研究と臨床披見の両方が、ビタミンK2が2型糖尿病のリスクを減少させることを示しています。2018年に実施された既存の研究に対するレビューは、ビタミンK2は様々なメカニズムでインスリン感受性を改善させ、これにはオステカルシン代謝(オステカルシンはインスリン感受性を改善する内分泌ホルモンとして作用する)、脂質低下作用、抗炎症作用が含まれます。[8] - 関節リウマチ
ビタミンK2の補給(MK7の形態で)は、機能障害を引き起こす関節の慢性的な炎症である、関節リウマチの治療に請うkがあることが発見されました。
MK4は関節リウマチ患者の症状を減少させることが、すでに発見されています。これに続いて、MK4よりもバイオアベイラビリティが非常に高いMK7も関節リウマチに対する大きな治療効果を示しています。研究は、MK7が、ESR、C-反応性タンパク質、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP-3)のような炎症の臨床や、生化学マーカーの数値を低下させることも示しています。[9]
さらに、MK7はその働きのためにビタミンK2を必要とする、オステオカルシンの数値も増加させます。すでに学んだように、オステオカルシンはカルシウムを骨基質に統合させることで、骨の健康を改善します。
あなたのビタミンK2値を改善する
健康な食生活をしていても、発酵食品や動物性食品を摂取していない場合、ビタミンK2が不足している可能性があります。納豆はビタミンK2が豊富に含まれており、1オンス当たり250mcgという驚異的な量を提供します。この発酵大豆製品は東日本ではとても人気がありますが、強い匂いと風味のために、世界の他の地域ではあまり人気がありません。卵黄、牛肉、ガチョウの肝臓パテ、チーズにもビタミンK2の良い供給源です。
これらのビタミンK2食材を手に入れるのは、困難で高価な可能性もありますが、あなたの数値を改善するために、高品質な
ビタミンK2サプリメントを服用することもできます。良い知らせは、高用量のビタミンK2に関連する害は知られていません。しかし、私たちは新しいサプリメントを服用する際は、いつでもまず医師に相談することをおすすめします。
翻訳者: 千葉将臣
参考:
- Gerry Kurt Schwalfenberg. Vitamins K1 and K2: The Emerging Group of Vitamins Required for Human Health. J Nutr Metab. 2017.
- Knapen et al. Three-year low-dose menaquinone-7 supplementation helps decrease bone loss in healthy postmenopausal women. Osteoporos Int. 2013
- Johanna M. Geleijnse et al. Dietary Intake of Menaquinone Is Associated with a Reduced Risk of Coronary Heart Disease: The Rotterdam Study. The Journal of Nutrition. 2004.
- G.C. Gast et al. A High Menaquinone Intake Reduces the Incidence of Coronary Heart Disease. Nutr. Metab. Cardiovasc. Dis. 2009.
- Yokoyama et al. Vitamin K2 induces autophagy and apoptosis simultaneously in leukemia cells. Autophagy. 2008
- Nimptsch et al. Dietary intake of vitamin K and risk of prostate cancer in the Heidelberg cohort of the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC-Heidelberg). Am J Clin Nutr. 2008
- Ishizuka et al. Effect of menatetrenone, a vitamin k2 analog, on recurrence of hepatocellular carcinoma after surgical resection: a prospective randomized controlled trial. Anticancer Res. 2012
- MS Abdel-Rahman et al. Menaquinone-7 as a novel pharmacological therapy in the treatment of rheumatoid arthritis: A clinical study. Eur J Pharmacol. 2015
- Yan Li et al. Effect of vitamin K2 on type 2 diabetes mellitus: A review. Diabetes Research and Clinical Practice. 2018.
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