私たちの健康におけるコエンザイムQ10の重要性 (SQ-16)
コエンザイムQ10は、細胞内のエネルギーの生成に重要なプレーヤーであり、事実上、体のすべての細胞で見つかる補酵素です。補酵素は非タンパク質化合物で、体内で重要な生化学的プロセスをサポートします。また、奇跡の栄養素がユビキタスであるという事実に起因し、ユビキタスとして知られており、体内のどこにでも存在します。しかし、その高いエネルギーの必要性のため、心臓、肝臓、腎臓、膵臓、および免疫系において特に高濃度で存在します。
私たちの体は必要なコエンザイムQ10を自身で生成することができ、また一部は食べ物から提供されます。エンザイムQ10は、新鮮なイワシ、牛肉、サバ、そして心臓、肝臓、および腎臓などの臓器など、多様な食品に自然に存在しています。植物性食品である、ほうれん草、ブロッコリー、カリフラワー、レンズ豆、ピーナッツ、大豆、小麦胚芽や小豆なども良いコエンザイムQ10の供給源です。しかし、過剰調理や加工食品は人工的な手段で得られたコエンザイムQ10の量を減少させます。
年を取るにつれて、私たちの体はコエンザイムQ10を少なく生成します。また、がん、糖尿病、心臓病、HIV / AIDS、精神的または物理的な過度のストレス、遺伝的障害、筋ジストロフィーやパーキンソン病などの特定の健康状態は、コエンザイムQ10を減少させる危険因子となります。スタチン薬は、この体に重要な補酵素の値を体内から大幅に失わせます。
コエンザイムQ10の主な役割
コエンザイムQ10による多くの健康利点は、エネルギーを生産するミトコンドリアを助ける事と、その優れた抗酸化能力に由来します。
コエンザイムQ10とエネルギー生産における役割
コエンザイムQ10は、ビタミンB群、マグネシウム、リポ酸、そしてアセチル-L-カルニチンを含む他の栄養素と共に、エネルギー生成プロセスにおいて非常に重要な役割を果たす、私たちの体のエネルギー生産チームの一員です。コエンザイムQ10は、細胞の発電所として知られているミトコンドリア内のアデノシン三リン酸、またはATPの合成に不可欠な補因子として機能します。ATPは、私たちの体の細胞の成長、修理、メンテナンス、生存のために必要なすべての生物学的機能を実行するために使用する、エネルギーの通貨または燃料です。
コエンザイムQ10と抗酸化剤としての役割
コエンザイムQ10は、強力な抗酸化剤です。これは、DNA、脂質、タンパク質及び細胞膜に酸化ストレスを引き起こすフリーラジカルから身体を守ります。これらの脆弱な生物学的構造や細胞と臓器の機能に対するダメージは、早期老化や多くの慢性変性疾患の発症につながります。実際、フリーラジカルを除去する酵素の能力は、膜酸化および脂質過酸化を防止し、心臓血管の健康をサポートする上で不可欠な役割を果たしています。そしてエネルギーの生産と抗酸化防御の役割により、強力な老化防止サプリメントとして、絶大な人気を得ています。
また、
コエンザイムQ10は、ビタミンEやビタミンCのような他の重要な抗酸化物質を再利用、再充電するのに役立ちます。これらのビタミンはフリーラジカルを中和後に自分自身を弱いラジカルへと変えますが、コエンザイムQ10は元の活性形態に戻ることを手伝い、抗酸化物質の武器の一部として体のために戦えるよう維持します。
コエンザイムQ10と心臓血管の健康における役割
握りこぶしよりも小さいあなたの心臓は、最も大変な仕事をする体の臓器のひとつで、常に酷使されています。この重労働はエネルギーの安定供給を必要とします。コエンザイムQ10はエネルギー生産の重要な部品として、心臓に関わる生体エネルギーをサポートし、心臓が疲労せずに効率的に血液を送り出す筋肉に力を与えます。さらに、コエンザイムQ10は、エネルギー生産の副産物として生成されたフリーラジカルによるダメージの激流を取り除きます。さらに、抗酸化性がLDL酸化、アテローム性動脈硬化症の進行に重要なステップを防止することにより、心臓血管の健康をサポートしています。
コエンザイムQ10が、他の組織よりも心筋（心臓の筋肉）に高い濃度で存在しても不思議ではありません。心筋コエンザイムQ10値の低下は心臓のポンプ能力を損ない、うっ血性心不全の発症および進行につながるだけでなく、細胞組織がフリーラジカル損傷に対してより脆弱になってしまいます。
コエンザイムQ10値と心不全との関係は、何十年も無数の臨床試験の対象となっています。研究は、心不全の重症度の増加と、心筋の低いCoQ10値の関連性を示唆しています。そして、コエンザイムQ10のステータスの減少は、スタチン薬やβ遮断薬を同時に使用することで悪化すると考えられています。最近の2014年の研究では、長期的なコエンザイムQ10の治療は、心不全の症状を改善し、主要有害心血管イベントおよび全原因死亡率を減少させることを示しました[1]。
オープンハートで発表された2015年のレビューは、「補足的なコエンザイムQ10は心不全の効果的管理に役立つ可能性あり、優れた臨床的耐性は、必須生理的歩因子としての地位を反映する」と結論づけました。[2]
コエンザイムQ10は、内皮機能を改善し、血圧を安定化するのに有利な効果を有します。特に、糖尿病患者の血圧を低下させる際に有益であることが示されています。また、コエンザイムQ10は心臓発作を伴うダメージを軽減し、バイパス手術、心臓移植および他の心臓手術中に心臓を保護します。これらの両方の分野での利点は、
虚血再灌流障害の影響を軽減する補酵素の能力に由来します。これらの両方の分野での利点は、虚血再灌流障害の影響を軽減する補酵素の能力に由来します。これは、抗酸化サポートを拡張し、心臓の筋肉へのエネルギー供給機構の強化することによって達成されます。
まとめると、コエンザイムQ10は、順番に循環健康を向上させ、内皮機能にエネルギー生産、抗酸化特性と効果におけるその重要な役割によって、心臓血管系に役立ちます。こちらはその効果の短い一覧です：
- 心不全の症状を改善
- 不整脈の発生を軽減
- 健康な血圧を維持
- コレステロール値を低下させ、宛てローム性動脈硬化症を防ぐ
- 内皮機能を改善し、動脈の健康を促進
- 心臓発作による損傷を軽減
- 心臓手術時に心臓を保護
- 心筋梗塞後の運動能力を向上
スタチン薬とコエンザイムQ10のステータス
もしコレステロール値を下げるためにスタチン薬を処方されているのであれば、コエンザイムQ10を補給するのが重要です。体内でコレステロールの生産を妨害するだけでなく、スタチン薬はコエンザイムQ10の内因生産を妨害します。健康的な筋肉や心臓血管機能の維持におけるその役割を考慮すると、スタチン薬を服用している人達のコエンザイムQ10の減少値は、疲労、関節痛、筋肉の弱体化の原因となります。低い値はアテローム性動脈硬化症や心不全を誘発することさへもあります。[3] 2014年の研究では、「コエンザイムQ10の補給（50 mgを1日2回）が、スタチン関連の軽度から中等度の筋肉の症状を効果的に減少させた」ことを示しました。[4]
スタチン薬による
コエンザイムQ10の減少による副作用としてはあまり一般的ではないですが、横紋筋融解症と呼ばれる別の潜在的な危険があります。これは弱く損傷した筋肉細胞が崩壊し、ミオグロビンと呼ばれるタンパク質を血中に放出した際に、腎臓に損傷を与える可能性があります。横紋筋融解症は適切な時間で治療されないと生命を脅かす可能性があります。
コエンザイムQ10が提供するその他の重要な健康上の利点
- エネルギー値を増加
- 早期老化の遅延；健康的な老化をサポート
- 免疫系の機能を向上
- 疲労、筋肉の弱体化の回復効果
- 血糖値を安定化
- 有毒な化学療法薬から臓器を保護
- 歯周病を治療
- 偏頭痛の予防
- 精子の運動性を高め、男性の生殖能力を向上
- パーキンソン病の治療と管理効果
翻訳者: 千葉将臣
参考：
- Mortensen SA et al. The effect of coenzyme Q10 on morbidity and mortality in chronic heart failure: results from Q-SYMBIO: a randomized double-blind trial. JACC Heart Failure. 2014
- James J DiNicolantonio, Jaikrit Bhutani, Mark F McCarty and James H O'Keefe. Coenzyme Q10 for the treatment of heart failure: a review of the literature. Open Heart 2015.
- Okuyama et al. Statins stimulate atherosclerosis and heart failure: pharmacological mechanisms. Expert Review of Clinical Pharmacology 2015
- Skarlovnik et al. Coenzyme Q10 supplementation decreases statin-related mild-to-moderate muscle symptoms: a randomized clinical study. Med Sci Monit. 2014
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