グルタチオン: 「マスター抗酸化剤」の力 (SQ-61)
グルタチオンはあなたの体にある最も強力な抗酸化剤で、解毒物質です。しかし、多くの人たちはその役割についてあまり知りません。グルタチオンが不足すると、老化を早め、認知症、心臓病、関節炎、がん、肺疾患、アルツハイマー病などの退行性疾患のリスクを高めます。[1–3]
グルタチオンは、システイン、グリシン、グルタミンの3つのアミン酸から構成される単純な分子です。あなたの体はこの保護分子を産出できますが、現代のストレスの多い環境下では十分でない可能性があります。
慢性ストレスと毒素（化学物質、重金属、放射線）への暴露は、あなたの体からこのスーパー抗酸化剤を簡単に奪います。過度な飲酒、慢性の感染症や病気、過剰な喫煙、処方薬や一般の薬の過剰摂取は、より多くのグルタチオンをもっと体から奪います。さらに、あなたの体が産出するグルタチオン量は年齢と老化と共に減少します。
残念なことに、私たちはこれらすべての状況において、ほぼ毎日向き合う必要があります。これが一般的に今日の人類の健康が混乱している理由です。これらすべての毒性物質への暴露は、フリーラジカルの産出を増加させます。フリーラジカルは、電子、脂質、タンパク質、ミトコンドリア、DNAから電子を奪う、不対電子を持つ反応性の高い分子です。
酸化と呼ばれるこの処理は、これらの細胞の構造と機能を変化させ、免疫と炎症を引き起こし、体を慢性炎症、早期老化、感染症や病気になりやすくします。この段階になると、あなたはより多くの抗酸化防御が必要となります。
なぜグルタチオンは「マスター抗酸化剤」と呼ばれますか？
他の多くの抗酸化剤と同じように、グルタチオンは電子を奪うフリーラジカルに追加の電子を供給します。これによりそれらを抑制し、無害にします。これらの分子を中和することで、グルタチオンは全身性炎症を引き起こす免疫反応の連鎖を抑制します。これが、グルタチオンが、がん、心臓血管疾患、神経変性疾患などのあらゆる種類の炎症性疾患を予防する理由です。
他の酸化剤と同様に細胞を守り、酸化ダメージからDNAや組織を保護するだけでなく、グルタチオンは他の酸化剤とは違う効果を持っています。なぜでしょうか？
グルタチオンは内在性抗酸化物質で、それはビタミンC（血中に存在）やビタミンE（細胞膜中に存在）と異なり、体内で産出され細胞内に存在することを意味します。細胞やミトコンドリアを酸化ダメージから守るための最適な場所に存在しています。
このスーパー抗酸化剤はフリーラジカルを抑制した後に、自身を再生することができます。そしてビタミンCやビタミンEなどの体にある他の抗酸化剤のリサイクルも助けます。（健康的な睡眠が、あなたのグルタチオン値を上昇させることを知っていますか？あなたが睡眠中に産出されるメラトニンというホルモンは、特に肝臓、脳、筋肉組織のグルタチオン値を上昇させます）。
また、グルタチオンは免疫反応で放出される、フリーラジカルや活性酵素種などの有毒な代謝廃棄物を除去し、免疫細胞を酸化ダメージから保護します。さらに、マスターデトックス分子（体から毒素を除去するのに重要）であり、T細胞を活動させる免疫系を調整します。[4-5] これらすべてが、ストレス、感染症や病気のときに、より多くのグルタチオンを体が必要とするかを説明しています。フリーラジカルを除去し、免疫系を向上させて病原体を破壊します。
老化、毒素、ストレスなどが体のグルタチオン値にさまざまな影響を与える中で、良いニュースはグルタチオン不足を解消できることです。高品質なリポソームグルタチオンサプリメントは、あなたの数値を改善し、病気、感染症、早期老化から効率的に保護します。
翻訳者: 千葉将臣
参考:
- N Ballatori et al. Glutathione dysregulation and the etiology and progression of human diseases. Biol Chem. 2009 Mar; 390(3): 191–214.
- Chava B. Pocernich. D. Allan Butterfield. Elevation of glutathione as a therapeutic strategy in Alzheimer disease. 2012. Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Molecular Basis of Disease
- Townsend DM, Tew KD, Tapiero H. The importance of glutathione in human disease. Biomed Pharmacother. 2003 May-Jun;57(3-4):145-55.
- T W Mak et al. Glutathione Primes T Cell Metabolism for Inflammation. Immunity. April 2017.
- Allen et al. Mechanisms of Control of Mycobacterium tuberculosis by NK Cells: Role of Glutathione. Front Immunol. 2015
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