放射能デトックスにおけるビタミンD (SQ-92)
放射能はどこにでも存在しています。岩や土、食べ物、飛行機による移動、ノートパソコンや携帯電話、医療画像の作成工程(X線およびCTスキャン)を含む技術機器、また電子レンジなどから発生します。そしてもちろん、チェルノブイリや福島で起こったような(おそらく現在も進行中の危機である)原子力災害による偶発的な被曝は、人工放射能の一つの原因でもあります。
多くのものによって私たちは常日頃から放射能に曝されているようにも見えますが、それらが発する放射能レベルはほとんどの場合低いため、無害であるとみなされています。たしかに、これらの低レベル電離放射線が健康に有害であるか否かというのは、話題になる議論テーマではあります。しかしこの業界のほとんどの専門家が、たとえ少量の被曝であっても、特にそれが長期間続くと被害をあたえることがあると口をそろえています。一般的に世界中の為政者がそのリスクを軽視する一方、研究は異なる意見を示唆しています。さらに放射能の専門家は、ゼロ以下の線量を除いて、安全なしきい値(接触してもリスクの無い安全な線量)は存在しないとも力説しています。
電離放射線はどのように損傷をあたえるのか?
電離放射線はフリーラジカルを過剰に生成することでDNAと器官に損傷をあたえます。これらの非常に反応しやすく不安定な分子は、DNA、タンパク質、ミトコンドリア、細胞組織に対して酸化損傷を引き起こし、全身性炎症や器官の損傷および疾患を生じさせます。遺伝物質への損傷は、多種多様なガンリスク、先天異常、男性・女性両方における受精能の問題を増加させる、突然変異を引き起こします。
また、電離放射線は免疫も弱体化させます。事実、免疫系の細胞はとりわけ電離放射線による損傷を受けやすいのです。これは免疫不全へとつながり、体が独自に放射線損傷に対処することができなくなります。すなわち、さらなる免疫サポートが必要になるということです。
では、あなた自身、あなたの身近にいる大切な人を電離放射線から守るためには何ができるのでしょうか?
放射線損傷と戦う抗酸化および抗炎症サポート
放射線被曝の影響に対処する場合、主なターゲットはガンを予防することになります。しかし、電離放射線は多くの組織や器官に影響をおよぼし、心血管疾患や白内障といったすべての種類の病気リスクを増加させます。
例えば、2017年に国際学術誌「ラディエーション・バイオロジー」[1] 上で発表された研究では、0.5 Gy(グレイ。物質1 kgに対し放射線のエネルギー吸収が1ジュールであることを表す)という低線量でも、冠状動脈の内皮細胞に損傷をあたえる可能性があることが分かりました。低照射線量でも内皮細胞内の分子変化を引き起こし、心血管疾患リスクを増加させる可能性があることが、研究者によって確認されました。興味深いのは、この「低線量」はCTスキャンを繰り返した際にほとんどの場合経験するものであるということです。
酸化損傷および結果として起こる副作用に対処するため、DNAの酸化損傷を防ぎ、DNA損傷を修復し、炎症を軽減し、免疫全体を改善することのできる物質が必要であることは明白です。特定の自然栄養補助食品が体を放射線被曝の影響から保護するのに役立つと、多くの研究が示しています。以下はその食品の一部です。
これらの天然物質は強力な抗酸化および抗炎症特性を有しており、多くの驚くべき方法で細胞やそのDNAを酸化損傷から守り、放射能によるDNA損傷を修復し、炎症を軽減し、免疫機能を高め、さらに有毒な放射性核種および重金属を体が除去するサポートをします。
例えば、霊芝は多糖類やトリテルペンといった、本質的に抗酸化および抗炎症物質である、バイオアベイラブル(生物学的に利用可能)な化合物を多く含んでいます。これらの化合物はDNAを酸化損傷から守り、DNA修復を促進し、炎症を軽減し、さらに体内における他の抗酸化酵素レベルを向上させます。
グルタチオンは身体のマスター抗酸化物質として知られています。ヒドロキシルフリーラジカルは放射線被曝中に生成されるフリーラジカルの中で最も危険な種類のひとつであり、グルタチオンはこれらを除去するのにとても効果的です。研究は、グルタチオンが放射線損傷からDNAを保護するだけでなく、DNA修復にも役立つことを示唆しています。 [2] さらに、グルタチオンは体内の(ビタミンEとビタミンCを含む)他の抗酸化物質およびビタミンCそれ自体に強力な抗酸化作用をあたえ、また体内の重金属や毒素の除去はもちろん、放射能デトックスにおける重要な役割をも果たします。
グルタチオンが持つもうひとつの非常に重要な性質は、フリーラジカル、重金属、薬物、毒、その他体内で処理される有害な化学物質など、ほとんどの毒素の除去を主に担当しているということです。
しかし、放射能からの保護において非常に役立つ物質がもう一つあります。体内のカルシウム吸収に役立ち、骨を健康に丈夫に保つ役割で知られている日照ビタミン、ビタミンDです。しかしこれは、細胞と組織を電離放射線の影響から保護するのにも役立つのでしょうか?
ビタミンDが体内の炎症を軽減するだけでなく、いかにして免疫機能を高めることができるのかを考慮すると、ビタミンDはあなたとあなたの家族を放射線被曝の副作用から守ることができる、天然物質チームの重要なパートを担っているとすべきでしょう。
ビタミンDは放射能デトックスに役立つのか?
国際学術誌「ロー・ラディエーション」で発表された研究は、ビタミンDは低放射能によって誘発される損傷からの保護に役立つとしています。
(放射線管理の専門家であり、この研究の著者でもある)ダニエル・ヘイズ医師は、サイエンス・デイリーの記事でこのように述べています。「予防・改善作用のあるビタミンDは、亜致死低放射線損傷や、特に放射能によって誘発されたガンに対して保護をあたえる、(主要とは言わないまでも)優良非薬物的作用剤の一つとして認識されるべきである。」
その報告によると、活性型ビタミンDであるカルシトリオールは、小規模な原子力事故の前後において保護することのできる性質を有していることが分かりました。研究結果は、カルシトリオールはさまざまなメカニズムを介して機能し、バックグラウンド放射および小規模な原子力事故後の被曝の両方に対して保護をあたえることができると示唆しています。
サイエンス・デイリーによると、カルシトリオールは「プログラム細胞死(アポトーシスとオートファジー)や血管新生阻害はもちろん、細胞周期制御および増殖・細胞分化・細胞間通信の制御にも関与」しています。 [3]
カルシトリオールは、体内のほぼすべての細胞に存在するビタミンD受容体(VDR)を活性化するビタミンD形態です。事実、これこそがビタミンDの機能の大部分が発揮される方法なのです。活性型ビタミンDはこれらの受容体と結合し、活性化させます。活性化したビタミンD受容体は、体内のあらゆる機能に必要なタンパク質を作り出す、さまざまな遺伝子を調節します。例えば、これらの活性化したビタミンD受容体は、体内の天然抗生物質として機能するタンパク質の生成に役立つ遺伝子を調節します。これらのタンパク質は、体がインフルエンザ、上気道感染、結核など、幅広い感染症と戦うのに役立ちます。
ビタミンDにはとても大きな健康効果がある
ビタミンDは多くの役立つ効果を生んでいます。以前は、その効果は最適なカルシウムレベルと骨の健康を維持するだけであると考えられていました。しかし信頼のおける研究機関が、健康維持のためにビタミンDが果たすさまざまな重要な役割を裏付けています。
研究は、低ビタミンDレベルと、筋肉痛、線維筋痛症、うつ病、自閉症スペクトラム障害、喘息、認知機能不全、黄斑変性、糖尿病網膜症、近視、ドライアイ(乾燥性角結膜炎)、ガン、自己免疫疾患などを関連付けています。
妊娠中の女性における低ビタミンDレベルは、流産、子癇前症、妊娠糖尿病のリスクを増加させる可能性があり、レベルを維持することでこれらのリスクを軽減する可能性があることを複数の研究が示唆しています。ビタミンD不足は胎児の健康にも悪影響をおよぼし、低出産体重のリスクを増加させます。アレルギー、喘息、免疫機能不全などの可能性が増えることで、新生児の(早い時期、さらにその後の)健康に影響をあたえることがあります。
ビタミンD:
- 炎症の軽減
- 心臓の健康をサポート
- 免疫機能をサポート
- 甲状腺疾患などの自己免疫異常リスクを下げる
- (特にレベルが著しく低い人において)痛み、疲労、その他慢性疼痛および線維筋痛症と関連する症状を軽減
- 子供、成人両方のアレルギー、喘息、皮膚病リスクを下げる
- インスリン感受性を向上させ、糖尿病前症の発症を防ぐことがある
- 目の健康を保護
その環境における日々の毒素への暴露に関しては、あらゆるビタミン、ミネラル、その他の抗酸化物質を含んだ健康的な食生活をすることによって、損傷から保護する大きな効果があります。そして、これがビタミンDが役立つ方法でもあります。
ありがたいことに、肌を日光に曝すことでビタミンDは自分で作り出すことができます。あなたの肌には、紫外線にさらされたときに最終的に活性型ビタミンDに変換される前駆体、または原料を含まれています。太陽の下に長時間曝されることや、皮膚ガンの発症を心配されているのであれば、高品質のビタミンDサプリメントの摂取は、レベルの改善、健康の改善には安価で効果的な方法です。ビタミンDが豊富に含まれている食品はほとんどなく、しかもそれらには効果を得るために必要な量は含まれていないため、食生活だけでは健康なレベルのビタミンDを摂取することは不可能です。きのこや卵の黄身、またイワシ、マグロ、鮭といった魚は、ビタミンDの最も豊富な食物源です。
まもなく11月がやってきます。北半球におけるビタミンDの冬の幕開けです。研究によると、北ヨーロッパ諸国に住む人々など高地に住む人々は、特に冬季になるとビタミンD不足に陥ることが非常に一般的です。
低ビタミンDレベルが、骨粗しょう症やくる病のリスクはもちろんのこと、さまざまな障害とどのように関連しているのかを考慮すると、よりよい吸収のためにも、自身のレベルをチェックし、品質の良いリポソームビタミンDサプリメントを摂取することは重要になります。
既存の健康状態や現在摂取している薬に干渉する可能性があるため、サプリメントを服用する前に医師に相談することをお勧めします。しかし、あなたにとっての利点、良い点と悪い点を常に比較するようにしてください。あなた自身でリサーチをし、人の意見のみに頼ることは決してしないでください。あなたの医師でさえすべてを知っているわけではありませんので。
翻訳者: 渡辺秀平
参照:
- Azimzadeh et al. Proteome analysis of irradiated endothelial cells reveals persistent alteration in protein degradation and the RhoGDI and NO signalling pathways. International Journal of Radiation Biology. 2017
- Anupam Chatterjee. Reduced Glutathione: A Radioprotector or a Modulator of DNA-Repair Activity? Nutrients. 2013
- Inderscience Publishers. "Could Vitamin D Save Us From Radiation?." ScienceDaily. 2008.
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