霊芝キノコの放射線保護効果 (SQ-70)
伝統的な中国の医学は、健康と長生きを促進するために、2000年以上も霊芝キノコ(学名: Ganoderma lucidum)を利用してきました。霊芝の多くの医療利用を支持するたくさんの科学的研究が存在[1]し、「Lingzhi」や「The God of Fungi」とも呼ばれています。
キノコには多糖類、タンパク質、アミノ酸、多糖類 - ペプチド複合体、トリテルペン、ゲルマニウム、ステロール、微量元素などの広範囲の生物活性化合物が含まれています。これらの化合物の組み合わせが体のバランスの改善と治癒を行い、免疫系を調整することで、霊芝に抗炎症、抗酸化、抗がん、抗老化のすばらしい効果を与えます。
この記事はそれらの効果を非常によくまとめています。以下の健康効果が含まれます: 「免疫調節、抗アテローム性動脈硬化、抗炎症、鎮痛、化学療法予防、抗腫瘍、化学療法や放射線からの保護、睡眠促進、抗菌、抗ウィルス(抗HIVを含む)、抗糖尿病、抗アンドロゲン、抗血管新生、抗ヘルペス、抗酸化、ラジカル除去、抗老化、低血糖、エストロゲン薬活性および抗高血圧、 抗潰瘍性状。」[2]
この記事では霊芝キノコが電離放射線に対して、どのような効果を持つかを検証します。
電離放射線の影響
電離放射線はフリーラジカルを産出することで、深刻な酸化ダメージの原因となります。これらの活性酸素種は、タンパク質、脂質、DNAなどの壊れやすい細胞成分を害し、細胞機能に望ましくない変化を与えます。このような細胞構造の変化は、紫外線やその他の環境毒素によっても引き起こされます。
DNAダメージは放射線による最も有害なダメージです。ほとんどのダメージはフリーラジカルの仕組みによって引き起こされますが、放射線は直接DNA分子に干渉することもできます。たとえ低量であっても継続して電離放射線に暴露すると、DNA分子にあらゆるダメージを与えます。これは一本鎖切断(フリーラジカルがDNAの一本鎖を破壊する)、または二本鎖切断(電離放射線がDNAの両方の鎖に損傷を与える)を引き起こす可能性があります。
多くの場合は体が自然に一本鎖切断を修復しますが、二本鎖切断は修復が困難で、修復に失敗することでDNAに突然変異を引き起こします。当然変異は細胞を無作為に分裂(ガンの原因)させ、次の世代に引き継がれる染色体異常を引き起こします。DNAに深刻なダメージがあった場合は、細胞は突然変異を避けるために死滅することもあります。
DNAダメージ、脂質、タンパク質、ミトコンドリアの酸化の増加は、ガン、心臓血管疾患、白内障、不妊症、免疫不全、その他の多くの疾患を発症するリスクを増加させます。高濃度の放射線は暴露直後に脱毛、内出血、吐き気のような症状を引き起こします。しかし、ガンや心血管疾患は発症まで数年かかる場合があります。実際、酸化ストレスやそれによる炎症の大部分は、これらの後発放射線効果によるものです。[3]
低線量放射線の悪影響は、チェルノブイリや最近の日本の福島原発で見られます。[4] それにより、長期に渡る主要な酸化ストレスの原因となる、フリーラジカルの過剰な産出と活性化に対処するのことが重要になります。
偶発的な被ばく、ガンや腫瘍の放射線治療による被ばくなどの放射線ダメージから、細胞組織やDNAを保護するにはどうすればよいでしょうか?あなたの体は抗酸化剤とDNA修復の仕組みを使って効率的に自分自身を修復します。これらの仕組みで体は有毒物質と戦うことができます。しかし、公害、放射線、農薬、紫外線、重金属、加工食品中の添加物や防腐剤のような、大量の毒性暴露の場合、細胞が休みなく悪影響を受けるため、体はこれに立ち向かうための追加の抗酸化サポートを必要とします。それが霊芝キノコです。
研究は、体の不調や疾患の原因となる放射線によって引き起こされる酸化ダメージを防ぐのに、霊芝が非常に有効であり、そして抗酸化作用とこれらの影響によるDNAの修復能力を示しています。
放射性ダメージから霊芝キノコがどのように保護するか
多糖類およびトリテルペン
キノコには植物科学物質が豊富に含まれています。これらの中で、多糖類とトリテルペンは、キノコの抗酸化効果に影響する主要な生物活性化合物として認識されています。[5]
またマウスによる多くの研究は、霊芝の多糖類およびトリテルペンが放射性保護能力を持つことを強く示しています。[6][7]
アルビノマウスで行われた2016年の研究は、キノコのトリテルペンが様々な方法でガンマ線から保護することを報告しました: [8]
- マウスを酸化ストレスから保護する
- 全身に放射線を放射する前に与えることで、肝臓、脳組織内の脂質、タンパク質の酸化を減少させる
- 抗酸化酵素の活動を回復し、肝臓や脳のグルタチオンレベルに良い影響を与える
- DNAの一本鎖、二本鎖DNA切断の防止
この研究ではさらなる調査と人体によるテストが必要となりますが、「偶発的な放射線被ばくの危険な影響を防ぐために、Ganodermaトータルトリテルペンを自然の放射線防護剤として使用できる可能性がある」ことが判明しました。
抗酸化ペプチド
また霊芝には有効な抗酸化作用を示すペプチドも含まれています。実際、一部の研究は、G.ルシジウムペプチド(GLP)がキノコの主要な抗酸化能力に関係していることを示しています。 2004年の研究は、「GLPは抗酸化物質、金属キレート化、フリーラジカル除去活動によって、生体系における脂質過酸化の抑制に重要な役割を果たす可能性がある」と結論付けました。[9]
霊芝キノコの抗酸化成分は、体がすぐにこれらの成分を吸収でき、血漿総抗酸化活性を上昇させることができる驚くべきものです。さらに霊芝キノコに含まれる多糖類は、フリーラジカルによる酸化ストレスと効果的に戦うために必要な、抗酸化酵素の活性を高めることができます。
DNA保護と修復における霊芝キノコの役割
多くの研究は、そのトリテルペンとベータグルカンにより、霊芝が放射線による細胞ダメージを防ぐことにも非常に効果がある可能性を示唆しています。
DNA保護におけるトリテルペン
この研究では、Ganoderma lucidum (霊芝)のトリテルペンがマウスの肝臓ミトコンドリアにおける膜損傷(ガンマ線による)の予防に対する役割が評価されました。インビトロおよびヒト細胞の両方で、DNA鎖切断におけるトリテルペンの結果も考慮されました。
研究は、トリテルペンがマウスの膜損傷を防ぎ、そして人間の末梢血リンパ球のDNA鎖切断を減少させることができることを発見しました。その結果は、「放射線の悪影響による果DNAおよび膜のダメージから保護する上で、霊芝トリテルペンの重要な有効性を示した。 この発見は放射線治療における霊芝トリテルペンの潜在的使用を示唆している。」と報告されました。[10]
DNA保護と鎖切断の修復における多糖類
この研究は、霊芝の多糖が人間の細胞におけるDNA鎖切断の修復を増強することを示しました。「G. lucidumの多糖類は修復プロセスを促進することは、放射線被ばくから保護する有効なアプローチであるが、さらなる応用については分子メカニズムの詳細の研究が必要である。」と結論付けています。[11]
さらに別の研究は、人間のリンパ球細胞において、霊芝のベータグルカンがかなりの放射線防御活性とDNA修復能を有することが示唆されました。[12]
霊芝の放射性保護効果のまとめ
霊芝キノコは多くの生物活性化合物の宝庫です。 この中でも多糖類、トリテルペン、ペプチドは酸化的ダメージ防ぐ驚くべき抗酸化効果を示します:
- 炎症の軽減
- 体内の抗酸化酵素の活動や数値を増加させる
- DNAをダメージから保護する
- 体がDNA鎖切断(放射線による)を修復する能力を高める
翻訳者: 千葉将臣
参考:
- Batra P, Sharma AK, Khajuria R. Probing Lingzhi or Reishi medicinal mushroom Ganoderma lucidum (higher Basidiomycetes): a bitter mushroom with amazing health benefits. International Journal of Medicinal Mushrooms. 2013
- Sanodiya BS, Thakur GS, Baghel RK, Prasad GB, Bisen PS. Ganoderma lucidum: a potent pharmacological macrofungus. Current Pharmaceutical Biotechnology. 2009
- Szumiel I. Ionizing radiation-induced oxidative stress, epigenetic changes and genomic instability: the pivotal role of mitochondria. Int J Radiat Biol. 2015
- Azimzadeh et al. Proteome analysis of irradiated endothelial cells reveals persistent alteration in protein degradation and the RhoGDI and NO signalling pathways. Internation Journal of Radiation Biology. 2017
- Kan et al. Antioxidant activity of polysaccharide extracted from Ganoderma lucidum using response surface methodology. Int J Biol Macromol. 2015
- Pillai et al. Polysaccharides isolated from Ganoderma lucidum occurring in Southern parts of India, protects radiation induced damages both in vitro and in vivo. Environmental Toxicology and Pharmacology. 2008
- Pillai et al. Mushroom beta glucan: potential candidate for post irradiation protection. Mutat Res. 2013 Mar 18; 751(2):109-15.
- Sun et al. Novel antioxidant peptides from fermented mushroom Ganoderma lucidum. J Agric Food Chem. 2004
- Sun et al. Novel antioxidant peptides from fermented mushroom Ganoderma lucidum. J Agric Food Chem. 2004
- Smina et al. Protection of radiation induced DNA and membrane damages by total triterpenes isolated from Ganoderma lucidum (Fr.) P. Karst. Chemico-Biological Interactions. 2015
- Pillai et al. Enhancement of repair of radiation induced DNA strand breaks in human cells by Ganoderma mushroom polysaccharides. Food Chemistry. 2010.
- Pillai et al. Fungal beta glucan protects radiation induced DNA damage in human lymphocytes. Ann Transl Med. 2014
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