今冬は霊芝で免疫系をサポートしましょう (SQ-89)
マンネンタケという名でも知られている霊芝は、その優れた健康効果で人気が高まっています。漢方薬としてはすでに何世紀にもわたって幅広く使用されており、全体的なバランスを回復させ、ストレスや病気に対抗するために体に力を与えます。この木質キノコは全体的な健康や寿命を向上させると言われており、「不死のキノコ」としても知られています。
研究によると、霊芝には、トリテルペノイド、多糖類、ステロール、ステロイド、脂肪酸、タンパク質などを含む400種類以上の生物活性化合物が含まれています。これらの化合物は、抗菌、抗腫瘍、抗老化、抗酸化、抗炎症、抗糖尿病、肝臓保護、抗真菌、抗ウイルス、免疫バランスの調節特性によって、数々の治癒および増強効果を担っていることが、2018年の観察で報告されています。 [1]
また、この観察では以下のように報告されています。「(霊芝は)慢性的な肝炎、腎炎、高血圧、気管支炎、腫瘍化の原因などさまざまな疾患の予防および治療に古くから使用されており、また超免疫刺激剤として、体全体を強力に保護する。」
では霊芝は免疫系をどのようにサポートするのでしょうか?調査では、この木質キノコは免疫系のバランスを調節する効果があることが示されています。これは微生物の攻撃や炎症と戦うために必要な免疫成分を活性化し、同時にアレルギーや自己免疫疾患を引き起こす免疫反応を抑えます。
免疫における霊芝
健康的な免疫系は、細菌、ウイルス、真菌、寄生菌などによって引き起こされる感染症からあなたを守ります。免疫系は、良く機能している場合、ガン細胞と戦う力すら持っています。病原体を破壊するために炎症反応を開始し、さらにトリガーが除去された後で、この反応を止めることにおいても重要となります。抑制されていない長期的な炎症は細胞レベルで老化を早め、また関節炎、心血管疾患、2型糖尿病、白内障、神経変性、ガンといったほとんどの慢性疾患の根本原因であると考えられています。
免疫系が、活発に、外部トリガーに対してタイムリーに反応することを望む一方で、「活発過ぎる」のは良くありません。
免疫系が不活発だと外来侵入者の攻撃にあまり効果を発揮せず、体を風邪やインフルエンザといった感染症やその他の病気に対して脆弱にします。反対に、反応過剰な免疫系は、喘息、アレルギー、自己免疫疾患といった、治療の難しい健康問題を生じさせることがあります。活動亢進性免疫系は、体自体の健康な細胞(自己)と、体内に侵入する不健康な細胞(非自己)の区別をつけることができません。その結果、自身に対して不要な免疫および炎症反応を引き起こし、アレルギーや自己免疫疾患につながります。
免疫における霊芝効果の秘密は、含有する生物活性化合物にあります。これらの化合物は、免疫系の異なる成分を活性化または抑制する独自のメカニズムを介して機能し、それによって免疫機能を上方調節または下方調節します。
加えて、合成抗生物質、抗ウイルスおよび抗アレルギー薬は好ましくない副作用を有します。抗生物質耐性菌の出現は、治療のシナリオをさらに複雑なものにしました。これにより、霊芝などの抗ウイルス、抗真菌、抗菌、抗アレルギー特性を有する天然薬の、バランスの取れた健康的な体を実現させる可能性に、非常に注目が集まっています。
1. アレルギーと戦う
霊芝は、アレルギーの軽減、および喘息、気管支炎、リウマチ、接触皮膚炎の症状改善に、とても効果的であることが分かっています。
先に述べたように、霊芝には多くの生物活性化合物が含まれています。これらのうち、霊芝のトリテルペンおよび多糖類は、主に抗アレルギーおよび抗炎症特性を担っています。トリテルペンは、アレルギー反応中に放出される化学物質である、ヒスタミンの放出を抑制します。鼻水、かゆみ、じんましん、目の違和感、気管支収縮といったアレルギー症状を起こすのは、このヒスタミンのせいです。キノコが含有する抗酸化物質が炎症を抑え、ゲルマニウムがアレルギー反応に必要な組織への酸素流を向上させます。
アレルギーは免疫系の過剰反応によって引き起こされます。ほとんどの薬草は免疫系を強化する効果を有しており、実際にはこれがアレルギー症状を悪化することがあります。しかし霊芝にはバランス調整効果があり、これが、霊芝が弱った免疫系を強化するのに長けている一方で、アレルギーを引き起こす好ましくない免疫反応を軽減することにも長けている理由です。
2. 免疫系を強化する
免疫系の機能は加齢に伴って低下していきます。これを免疫老化と言います。免疫細胞が外来性物質に反応する能力は加齢に伴い低下し、インフルエンザや肺炎といった日和見感染の発症リスクを増加させます。
多糖類、トリテルペン、ゲルマニウムは、免疫系を強化する霊芝の主要成分です。霊芝は、細菌やウイルスに起因するガンや感染症と戦うのに役立つ免疫細胞の活動を強化します。霊芝に含まれる多糖類は、B細胞、T細胞、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、マクロファージを含むさまざまな免疫細胞の産生および活動に影響をおよぼします。
これらの細胞はすべて、免疫系が侵入した細菌やウイルスを効果的に標的にし、速やかに排除するのに役立ちます。霊芝は、高齢者や免疫不全の人の免疫機能の改善に特に効果を発揮することができます。
- B細胞は非常に特殊な免疫細胞で、抗体を生成して外来細胞と戦い、破壊します。B細胞は外来抗原(細菌およびウイルスに存在するタンパク質)に結合し、免疫系にこれらの抗原に対応する抗体を作り出させます。
- T細胞は2種類存在します。ヘルパーT細胞は、B細胞が抗体およびウイルス感染した細胞を特定し直接破壊することに特化したナチュラルキラー細胞を作り出すことに役立ちます。これらのキラー細胞はガン細胞までをも殺すことができます。事実、ナチュラルキラー細胞は、例えば結核などの抗酸菌(マイコバクテリア)感染症も防ぎます。 [2] ヘルパーT細胞はナチュラルキラー細胞の活性化にも役立ちます。
- 樹状細胞はT細胞を刺激して活動を促し、これらの免疫細胞が外来侵入者を特定して破壊するのに役立ちます。これらの免疫細胞は、自己抗原(体内の健康な細胞に存在するタンパク質や糖)に対する耐性も促進します。これらすべての機能は免疫を調節するのに役立ちます。
- マクロファージは細菌やその他の外来細胞を消化する大きな免疫細胞です。マクロファージはT細胞が病原体を特定するのにも役立ちます。
霊芝の多糖類は末期ガンの患者の免疫を強化し、感染症からの回復を早めます。 [3]
抗生物質の抗菌活性を向上させる
2012年の研究で、研究者は霊芝に抗生物質の性能を向上させる可能性があることを発見しました。抗生物質と一緒に使用すると、霊芝は抗生物質の機能を強化し、有害な細菌の成長を抑制します。 [4]
抗ウイルス効果
霊芝から抽出したエキスは
免疫を強化する生物活性化合物が豊富なだけでなく、亜鉛やセレンの微量ミネラルも含んでいます。これらのミネラルはウイルス感染とその重篤度の軽減において非常に重要です。
霊芝は抗ウイルス物質としてどのように機能するのでしょうか?キノコのさまざまな化合物および微量ミネラルは、ウイルス複製を制御する物質であるインターフェロンの産生を向上させます。インターフェロンはシグナリング分子として、ナチュラルキラー細胞やマクロファージといったその他の免疫細胞を活性化します。すべての種類の免疫細胞に対するこの効果は、最終的に、あらゆるウイルス攻撃に率先して対処する強力な免疫系の維持に役立ちます。しかしウイルス発生前に与えられた方が、霊芝の抗ウイルス効果はより顕著であることが分かっています。
霊芝は以下に役立つと考えられています。
- ウイルス感染であるインフルエンザの抑制
- 口唇ヘルペスおよび陰部ヘルペスの原因となるウイルス、単純ヘルペスによって引き起こされる感染症や症状の抑制
- 帯状疱疹の要因として知られる、帯状ヘルペスによって引き起こされる感染症の抑制
- 帯状疱疹に関連している痛みを伴う合併症、「帯状疱疹後神経痛」を軽減。これは、水疱が消えた後も持続する焼けるような痛みを引き起こす。この病気は耐性ができることが多く、従来の治療法で治療することは困難。
- 10代に単核球症を引き起こす、エプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)の抑制。単核球症は、発熱、発疹、腺の肥大といった症状を伴う伝染性の病気。EBウイルスは、成人の侵攻性リンパ腫(リンパ節のガン)にも強く関与している。
- 肝炎Bウイルスの損傷効果から肝臓を守る
抗真菌活性
この研究では、真菌感染を引き起こす可能性がある酵母の一種であるカンジダ菌および他の重要な真菌に対して、霊芝の抗真菌活性が試験されました。カンジダ菌は、カンジダ膣炎または感染症が口内で発症する口腔カンジダ症を引き起こす可能性があります。
研究によって、霊芝エキスは研究に含まれる真菌に対して「高い抑制作用」を持っていますが、カンジダ菌に対しては最大限の防御を提供することが判明しました。ほとんどの合成抗菌剤には副作用があり、植物から作られたものは微生物感染の治療に効果的なだけではなく、好ましくない副作用も減らすため、この発見は重要となります。 [5]
ガンと戦う免疫細胞の活性を強化する
日本では、霊芝はガン治療の補助剤として、また化学療法の副作用を最小限に抑えるために使用されています。霊芝が人のガン細胞を標的として破壊する方法は複数あり、その免疫系を刺激する能力はここでの主要なメカニズムの1つです。さらに霊芝の多くの生物活性化合物(多糖類、トリテルペン、ペプチド)は、抗酸化物質として作用し、炎症を軽減し、抗酸化酵素のレベルを高め、DNAを酸化損傷から保護します。
研究は、霊芝がナチュラルキラー細胞を活性化することを示しています。 [6] ナチュラルキラー細胞は、ガン細胞が根付く前に特定して破壊することに特化しています。さらに霊芝の多糖類は、ガン細胞を循環免疫細胞から隠してしまうタンバク膜であるフィブリノゲンを破壊することができます。この膜が破壊されれば、ナチュラルキラー細胞は容易にガン細胞を特定し破壊することができます。 [7]
ガン治療の主要な方法として霊芝サプリメントを使用することができるかを確認するには、より大規模な研究が必要であることは間違いありません。しかし化学療法や放射線療法の補助剤として、霊芝が安全に効果的に使用できることは多くの研究によって証明されています。霊芝はこれら伝統的な治療法の抗腫瘍活性を向上させ、免疫力を強化します。 [8]
また霊芝は、食欲不振、免疫障害、脱毛といった、化学療法の一般的な副作用の重篤度を軽減します。さらには、霊芝に存在する多糖類がヒト細胞のDNA鎖切断の修復を促進することができるという証拠もあります。これは放射線被曝からの保護に役立ちます。 [9]
霊芝を化学療法と一緒に使用することで、ガンそれ自体だけでなく治療中に経験する副作用によって損なわれてしまうガン患者の生活の質を向上することができます。
その他、霊芝はどのように免疫を強化するのか?
霊芝は強力なアダプトゲンで、体全体のバランスを維持し回復することで有名な薬草に分類されます。アダプトゲン植物の主な特徴の1つは、必要に応じて身体機能を調節することができることです。これもまた、霊芝がどちらにも役立つ健康な免疫系を維持する方法です。
アダプトゲンは、あらゆる原因からくるストレスに体がより良く適応できるようにします。もしストレスが、病気の子供の世話、今後の昇進、職場での厳しい納期に間に合わせるなどの、精神的苦痛によるものであると思うのなら、あなたは間違っています。睡眠不足、頑固な感染症、極度の温度への暴露、手術、毒素への暴露、不健康な食生活、これらすべては体にストレスを与えます。
長期にわたるストレスはホルモンの不均衡や炎症の原因になることがあり、また心臓疾患、肥満、うつ病、ガンなどのリスクが増加する可能性もあります。また、ストレスは免疫に好ましくない影響をおよぼし、感染症や病気のリスクを増加させます。完全にストレスから解放されることは不可能かもしれませんが、これらのストレス管理、および強い免疫力を作りながら健康の維持を促進する追加サポートは、非常に役立ちます。
霊芝の多糖類とトリテルペンは、ストレスに体をより良く適応させるのに役立ちます。またアダプトゲンとして、免疫系、神経系、内分泌系など、多くの構体系機能を改善します。これらの主要系統の正常な機能は、ストレス対処、エネルギーレベルの向上、疲労軽減において非常に重要です。
ある小規模な研究で、霊芝は、過剰な心身の疲労によって特長づけられる神経衰弱に関連する、多くの症状を緩和する可能性があることが分かりました。研究は以下のように結論づけています。霊芝の多糖類エキスは「神経衰弱における症状の臨床効果に関して、プラセボよりも著しく優れている。」 [10]
免疫機能のサポートに加え、霊芝はエネルギーレベルを向上させ、肝機能を改善し、肝臓を損傷から保護し、ホルモンのバランスを調節し、血圧を下げることができます。抗酸化物質および抗炎症物質として、心臓の健康を守り、心臓疾患リスクを軽減させます。何よりも素晴らしいことは、霊芝が、重大な副作用を引き起すことなく、非常に多くの健康パラメータを改善できるという点です。
冬も近づいていますので、免疫系が必要としている強化を与えるために霊芝サプリメントを使用することは良いアイデアかもしれません。ウィルスや細菌感染症の撃退に役立つだけでなく、アレルギー症状が起こりやすい人々のリスクも軽減します。
既存の健康状態や現在摂取している薬に干渉する可能性があるため、サプリメントを服用する前に医師に相談することをお勧めします。しかし、あなたにとっての利点、良い点と悪い点を常に比較するようにしてください。あなた自身でリサーチをし、人の意見のみに頼ることは決してしないでください。あなたの医師でさえすべてを知っているわけではありませんので。
翻訳者: 渡辺秀平
参照:
- Cör et al. Antitumour, Antimicrobial, Antioxidant and Antiacetylcholinesterase Effect of Ganoderma Lucidum Terpenoids and Polysaccharides: A Review. 2018.
- Lu et al. NK cells kill mycobacteria directly by releasing perforin and granulysin. J Leukoc Biol. 2014
- Gao et al. Effects of ganopoly (a Ganoderma lucidum polysaccharide extract) on the immune functions in advanced-stage cancer patients. Immunol Invest. 2003
- Karwa et al. Naturally occurring medicinal mushroom-derived antimicrobials: a case-study using Lingzhi or Reishi Ganoderma lucidum (W. Curt.:Fr.) P. Karst. (higher Basidiomycetes). Int J Med Mushrooms. 2012
- Naveenkumar et al. Screening of Antifungal Activity of Ganoderma Lucidum extract Against Medically Important Fungi. Indian Journal of Public Health Research & Development. 2018
- Chang et al. Ganoderma lucidum stimulates NK cell cytotoxicity by inducing NKG2D/NCR activation and secretion of perforin and granulysin. Innate Immun. 2014
- Zheng et al. Ganoderma lucidum polysaccharides eradicates the blocking effect of fibrinogen on NK cytotoxicity against melanoma cells. Oncol Lett. 2012 Mar;3(3):613-6.
- XingZhing et al. Ganoderma lucidum (Reishi mushroom) for cancer treatment. The Cochrane Database of Systematic Reviews. 2016
- Pillai et al. Enhancement of repair of radiation induced DNA strand breaks in human cells by Ganoderma mushroom polysaccharides. Food Chemistry. 2010.
- Tang et al. A randomized, double-blind and placebo-controlled study of a Ganoderma lucidum polysaccharide extract in neurasthenia. J Med Food. 2005
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