CoQ10サプリメントは不妊治療に役立つか? (SQ-79)
CoQ10は医師が多くの健康問題に対する治療として選択するサプリメントとして、急速に有名になりました。うっ血性心不全、狭心症、高血圧、偏頭痛、白内障、2型糖尿病に効果があることが発見されています。実際、心臓の健康についてCoQ10は驚くべき効果があります。
CoQ10はステインを服用している人たちにもよく推奨されます。コレステロール低下薬はこの重要な抗酸化剤を体から枯渇させるので、筋肉痛、筋肉疲労、記憶障害など、あらゆる種類の副作用を引き起こします。
新興の研究は、男性と女性の両方における不妊治療の効果を明らかにしています。この場合、なぜCoQ10が合っているのでしょうか?不妊症は、少なくとも部分的に、酸化とミトコンドリアの異常な働きに原因があります。これらの要素を改善することは、不妊に苦しむ人たちの役に立ち、それがCoQ10が特に力を発揮する理由です。
例えば、CoQ10不足は精子と卵子の健康低下に関連しており、健康的な妊娠に必要な主要な要素です。研究はCoQ10が男性の生殖力を増大させ、高齢の女性(自然と妊娠可能性が低下している)や妊娠に悪影響を与える多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)の女性に効果があります。
CoQ10は受胎の可能性も高めるでしょうか?見てみましょう。
CoQ10と不妊の関連性
健康で正常な妊娠には多くの要素が関係しています:
- 卵子と精子の健康
- 受胎の成功
- 子宮への胚の着床
- 胚の成長
卵子は成熟する必要があります。精子は放出された卵子と受精して、胚を形成するために泳ぐ必要があります。そして胚の成長は数え切れない細胞分裂と、多くの他の重要なイベントを必要とします。これらすべての処理には、たくさんのエネルギーを必要とします。そのために精子と卵子の健康と、健康なミトコンドリア(エネルギーを作る場所)の供給が、これらの処理を成功させるために必要となります。
これらのイベントにおけるCoQ10の役割を理解するために、まずは体内でのCoQ10の働きを見てみましょう。
CoQ10はエネルギーの産生に必要です: ミトコンドリアは、ほとんどすべての生きている細胞に存在する、小さなエネルギー生産器官です。細胞が働くのに必要なすべてのエネルギーに力を与える、細胞のバッテリーと呼ぶことができます。このエネルギーはミトコンドリア内で発生する一連の生化学反応によって産生されます。ミトコンドリアが化学反応に必要とする栄養素の中で、CoQ10は特別な役割を持っています。CoQ10が十分でない場合、ミトコンドリアは細胞が分裂、成長、修復するのに必要なエネルギーを提供できません。 CoQ10不足は細胞のエネルギー不足を引き起こし、不妊を含む多くの健康問題を引き起こす可能性があります。
CoQ10はフリーラジカルの中和に必要です: フリーラジカルによる酸化ストレスは、不妊のもう一つの原因です。小胞と胚の発達中の精子細胞にダメージを与えます。実際、宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、不規則な生理、頻繁な流産、卵子の健康、精子の健康、精子の活動など、不妊症に非常に強く関係する問題は、すべて酸化ストレスが原因です。そして抗酸化剤であるCoQ10はフリーラジカルを取り除きます。
CoQ10の数値は年齢と共に減少します。年を取るにつれて、またコレステロールを低下させるステイン服用時はCoQ10の産生が減少します。CoQ10が不足すると、受精や胚発生のプロセスに悪影響を及ぼし、流産や先天性欠損を引き起こします。CoQ10値を元に戻すことで、不妊に関した問題を治療することができます。
女性の不妊におけるCoQ10の効果
女性は年齢と共に妊娠する可能性が減少します。35歳を越えたほとんどの女性は、自然、人工妊娠が難しくなります。年齢と共に女性の健康な卵子の数は減少します。
卵子の質とは多くのことを意味します。しかし、多くの場合は正常な数の染色体を持つことを意味します。欠損または余分な染色体は、生まれた赤ちゃんにターナー症候群やダウン症候群をもたらす可能性があります。全国ダウン症候群協会によると、母親の年齢が高くなるに連れて、ダウン症候群で子供が生まれるリスクが高くなります。また卵子の質は卵子が成熟して正常に分裂する可能性も意味します。
年齢による卵子のミトコンドリアのエネルギー生産減少と、酸化ストレスの増加は避けられず、この2つの要因が手を組んで高齢女性の卵子の質を減少させます。
卵子は人間の体で最大の細胞で、人間の卵子が筋肉や神経など高エネルギーを必要とする他の細胞よりも、10-100倍多くのミトコンドリアを持っているといっても驚かないと思います。ミトコンドリアは成長中の卵子が必要とする、すべてのエネルギーを提供します。CoQ10がミトコンドリアのエネルギー生産において、非常に重要な役割を持つことを覚えておいてください。
年齢につれてCoQ10の産生は減少していきます。これはミトコンドリアが細胞、卵子細胞、胚のエネルギーを作るための原料が、減少していくことを意味します。ミトコンドリアの働きが悪くなると酸化ストレスも増加します。そしてこれらすべてが生殖系の健康に悪影響を与え、次の障害を引き起こします:
- 卵子の質の低下により不妊となる
- 胚の着床失敗と発達障害
- 染色体異常の増加 (高齢女性の子供)
まとめると、CoQ10数値は年齢と共に減少します。ミトコンドリアの機能不全と酸化ストレスを引き起こし、女性の不妊における2つの原因となります。
CoQ10サプリメントの摂取は年齢による卵子の質の低下を元に戻し、妊娠する可能性を改善します。2017年の研究は、卵胞液中の高濃度CoQ10は生殖機能をサポートすることで、高い妊娠率をもたらすことを発見しました。[1]
別の研究は、クエン酸クロミフェンに耐性のある多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者に対する、CoQ10とクエン酸クロミフェンの併用は、排卵率と妊娠率を改善させることを発見しました。
肥満、インスリン抵抗性、酸化ストレスなどの要因が、炎症やミトコンドリアの異常などの原因となり、PCOSを引き起こします。クエン酸クロミフェンはPCOSの女性の排卵を助けるためによく使用されますが、1/4の患者には効果がありません。ゴナドトロピンも同様に排卵を誘発するために使用されますが、こちらは複雑で高価な治療です。ここでCoQ10が役立ちます。研究は、「CoQ10は効果的で安全な選択肢であり、ゴナドトロピン療法や腹腔鏡下卵巣穿孔の前に検討されるべきである」[2]と結論付けました。
また、年齢と酸化ダメージは卵巣内の卵子のプールである卵巣予備能を減少させます。卵巣予備能が低下すると、卵巣が妊娠するための健康な卵子を供給できなくなり、妊娠率の低下につながります。2016年の研究によると、CoQ10の補給は、酸化ダメージから卵巣予備能を保護する可能性があります。[3]
男性の不妊におけるCoQ10の効果
研究は、精液(精子を含む液体)のCoQ10数値が、精子の健康状態を定義することを示しています。一方で、CoQ10不足と酸化ストレスの増加は、男性の不妊における精子の健康に様々な要素で関連しています。少ない精子数、異常な形態や構造、精子の運動性の低下(静精子が女性の生殖管を通って泳ぐ能力)などがこれにあたります。精子の運動性の低下と量の減少は、男性の不妊における最も一般的な2つの原因です。
つい最近の研究では、抗酸化剤が一般的に男性の不妊に良い効果があることを示しました。[4] そしてCoQ10は強力な抗酸化剤です。精子が酸化ダメージと戦う抗酸化力を増加しながら、ミトコンドリアの健康と細胞のエネルギーも向上させます。
新興の研究も男性の不妊におけるCoQ10補給の有効性をサポートしています。男性における精子の量、運動性、構造を改善することが発見されました。[5][6]
生活スタイルを変更することで、妊娠する能力を高めて可能性を増やすこともできます。悪い食生活(アルコール、カフェイン、砂糖、自然の栄養素を含まない加工食品)、喫煙、ストレス、睡眠不足、座りがちな生活、環境毒素がすべて蓄積することで、フリーラジカルの産生が増加します。この結果、体の酸化ストレスが増加して、妊娠に関する要素に影響を与えます。
不妊に影響を与える要素は他にもたくさんありますが、これらの要素を取り除くことは自分でできることです。健康な生活スタイル、良い睡眠、マイナス思考の排除、そして最も重要な点は、新鮮な果物や野菜を摂取することで、この十条名時期に抗酸化サポートを体に追加することです。言うまでもありませんが、妊娠するという厳しい要求に答えられるように、体の準備をすることが非常に重要です。そして可能性を高めるために高品質のCoQ10サプリメントを摂取できるか、あなたの医師にぜひ相談してみてください。幸運を祈ります!!
翻訳者: 千葉将臣
参考:
- Akarsu et al. The association between coenzyme Q10 concentrations in follicular fluid with embryo morphokinetics and pregnancy rate in assisted reproductive techniques. J Assist Reprod Genet. 2017
- A El Refaeey et al. Combined coenzyme Q10 and clomiphene citrate for ovulation induction in clomiphene-citrate-resistant polycystic ovary syndrome. Reproductive Biomedicine Online. 2014.
- Özcan et al. Can Coenzyme Q10 supplementation protect the ovarian reserve against oxidative damage? Journal of Assisted Reproduction and Genetics. 2016
- Majzoub et al. Systemic review of antioxidant types and doses in male infertility: Benefits on semen parameters, advanced sperm function, assisted reproduction and live-birth rate. Arab Journal of Urology. 2018.
- Balercia G, Mancini A, Paggi F, Tiano L, Pontecorvi A, Boscaro M, Lenzi A, Littarru GP. Coenzyme Q10 and male infertility. Journal of Endocrinological Investigation. 2009
- Lafuente et al. Coenzyme Q10 and male infertility: a meta-analysis. Journal of Assisted Reproduction and Genetics 2013
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