CoQ10サプリメントは心不全の治療に役立ちますか？(SQ-48)
心不全という用語は少々紛らわしいかもしれません。ほとんどの人たちは心臓が完全に鼓動を停止する状況として理解しています。心不全は心臓が必要な力で血液を送り出すのに十分なほど強くない状態であり、その結果、血液がより遅いペースで体を流れることを意味します。 弱い心臓は機能を果たすために必要な、組織や器官に十分な酸素と栄養素を供給することができません。 そのため心不全は適時に効果的な管理を必要とする深刻な状態です。 通常は投薬や生活習慣の変更によって治療されます。
心不全の原因は何でしょうか？ 老化はもちろん重要な要因の1つですが、冠動脈疾患（プラーク形成による動脈の硬化）、高血圧、先天性心疾患、長期ストレス 、喫煙、過度のアルコール摂取、損傷した心臓弁、心臓発作の病歴および甲状腺の問題があります。
心不全の人は体内の血液の流れが悪く、息切れ、慢性咳嗽または喘鳴、脚部、足首または腹部の体液蓄積、疲労、速い心拍数、混乱、めまいなどの症状があります。
CoQ10数値と心不全リスク
心筋細胞における
CoQ10の枯渇は、心不全の発症および進行の両方において重要なメカニズムであると考えられています。 研究によると、心不全患者は低数値のCoQ10を示します。 [1]
さらに、うっ血性心不全の患者は、さらなる心血管合併症を予防するためにスタチンとβ遮断薬を処方されることが多いです。 しかし、これらの薬物は、CoQ10の貯蔵を著しく枯渇させ、二重の問題を引き起こします。
心不全においてCoQ10はどのように働きますか？
CoQ10は細胞がエネルギーを作るのを助けます。 これは、ミトコンドリアが細胞内でエネルギーを産生するプロセスに積極的に関与しているからです（あなたが食べる食物から炭水化物や脂肪酸などの「燃料」を燃やすことによって）。 「細胞の点火プラグ」としても知られるCoQ10は、最終的にATPの形成につながる酸化還元反応に関与し、その役割は不可欠です。 CoQ10がないことは、細胞にきれいなエネルギーがないことを意味します。
ポンプ動作を絶え間なくし続ける燃料を供給するエネルギーである、CoQ10の数値が低いことが、心臓にとって何を意味するのか想像できると思います。 他の組織と比較して、CoQ10が心筋に豊富に存在することは間違いありません。
低数値のCoQ10は心臓のエネルギー代謝を変化させ、その結果、心筋はエネルギーを奪われ効率的に仕事をすることができなくなります。そして、あなたの心臓の動悸が不安定になり、リラクゼーション機能を失ってしまいます。
CoQ10数値が低下すると、心筋のミトコンドリアは疲れた自動車エンジンのように振る舞い、エネルギーを効率的に作り出す能力を失います。これは過剰なフリーラジカルの痕跡を残し、酸化によって心臓組織に損傷を与えます。
それがCoQ10サプリが役に立つところです。弱く、疲労した心筋にエネルギーを注入します。また、酸化的損傷から心臓組織を保護する抗酸化剤の作用もあります。これらの2つのメカニズムは、心不全症状を緩和する際のCoQ10の役割を示します。
Q-SYMBIO実験は、長期のCo Q10補給が心不全症状、死亡、心不全の悪化による入院、冠動脈バイパス手術、および冠動脈バイパス手術を含む事象、緊急の心臓移植および機械的サポートガ必要な重大な有害心血管イベント（MACE）を改善することを示しました。 無作為化二重盲実験では、重度の心不全を有する420人の患者が参加し、CoQ10が生存率を改善し、生活の質を改善できることが示されました。[2]
主任研究者のモーテンセン教授は、「他の心不全薬は、細胞プロセスを強化するのではなく、副作用を伴う可能性がある。 自然で安全な物質であるCoQ10を補うことで、身体の欠乏を矯正し、飢えた心臓と呼ばれる慢性心不全での悪質な代謝サイクルを阻止します」と述べました。[3]
さらに、2014年の臨床試験では、Coq10をアトルバスタチン（コレステロール低下薬）と共に使用すると、駆出率が改善されることが示されました。 この効果は、アトルバスタチン単独で使用した場合よりもはるかに良好でした。[4] 米国心臓協会（American Heart Association）によって説明されているように、
駆出率は、各収縮の間に心臓から排出される血液の量の測定値です。 EFは、心不全の診断およびモニタリングにおいて重要な測定値です。
心不全および関連症状を管理するための従来の治療法の副作用を考慮すると、CoQ10は重大な副作用なしに安全な選択肢です。 さらに、CoQ10は強力な抗酸化物質であり、血管拡張薬（血管の拡張に役立ちます）として機能します。
これらの効果により、CoQ10サプリは、高血圧、心臓発作、内皮機能不全および心臓発作中に苦しんだ心筋への酸化的損傷などの他の心臓血管危険因子を緩和する際に非常に有益な治療法となります。 今後のブログでは、これらのリスク要因を管理する上でのCoQ10の役割について詳しく説明します。
翻訳者: 千葉将臣
参考:
- Okonko DO, Shah AM. Heart failure: mitochondrial dysfunction and oxidative stress in CHF. Nat Rev Cardiol. 2015
- European Society of Cardiology (ESC). "First drug to significantly improve heart failure mortality in over a decade." ScienceDaily.
- Pourmoghaddas M, Rabbani M, Shahabi J, Garakyaraghi M, Khanjani R, Hedayat P. Combination of atorvastatin/coenzyme Q10 as adjunctive treatment in congestive heart failure: A double-blind randomized placebo-controlled clinical trial. ARYA Atheroscler. 2014 Jan;10(1):1-5.
- Mortensen SA, Rosenfeldt F, Kumar A, et al. The effect of coenzyme Q10 on morbidity and mortality in chronic heart failure: results from Q-SYMBIO: a randomized double-blind trial. JACC Heart Fail 2014
- James J DiNicolantonio, Jaikrit Bhutani, Mark F McCarty and James H O'Keefe. Coenzyme Q10 for the treatment of heart failure: a review of the literature. Open Heart 2015.
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