あなたの骨に最高のサプリメント (SQ-84)
骨の役割は、体の構造をサポートし、移動したり、歩いたり、走ったりする手助けをするだけに留まりません。骨はカルシウム、リン、マグネシウムといった重要なミネラルを蓄えます。これらは生命維持に必要な器官(脳、心臓、肺)を損傷から守り、免疫力、および酸素を組織へ運ぶために不可欠な白血球と赤血球を生成します。
骨は生体組織によって形成されており、一生を通じて成長を続けます。これらは、骨芽細胞と破骨細胞という特異性細胞の助けを借りて定期的に分解・再生されます。正しく栄養を摂取し運動をすれば、30歳頃までは、うよりも多くの骨量を体は生成します。
小児期および思春期が、最大骨量(骨が得ることのできる最大密度・強度)を得る最も適した時期となります。30歳を過ぎると、骨が作られる速度が分解される速度よりも遅くなってきます。言い換えれば、30歳を過ぎると生成するよりも多くの骨量を失ってしまうのです。これにより骨粗しょう症が引き起こされることがあります。骨粗しょう症とは、骨が細く弱くなり、骨折したり損傷したりしやすくなる状態です。歳を取るにつれ、栄養不足、運動不足、ホルモンレベルの低下など、多くが骨量減少の要因となります。例えば、女性は閉経後にエストロゲンのレベルが減少し始めるため、更年期の女性は骨粗しょう症になりやすいのです。
人生を通して健康な骨を作ることは、骨量減少の速度を落とし、骨粗しょう症を予防するカギなのです。これはライフスタイルを変えることによって達成することができます。また、特定のビタミンやミネラルを多く摂取することは、この戦略の重要な部分でもあります。
では、骨にとって一番良いものとは何でしょうか?真っ先に思い浮かぶのはカルシウムですが、カルシウムがその役割を果たし、その他多くのメカニズムを介して骨格組織の健康を維持するためには、異なる栄養素が必要となります。
1. カルシウム
もはや紹介は不要かと思います。カルシウムは骨の構成要素で、体内で最も豊富なミネラルです。体内に存在する全カルシウムの内99%は骨と歯に蓄えられています。
骨を作り健康に保つだけに限らず、カルシウムは以下を含む他の重要な機能のためにも必要です。
- 健康的な心臓の鼓動を維持する
- 血液凝固
- 筋収縮
- 神経衝撃(インパルス)の伝達
- ホルモンの分泌
では食生活から十分なカルシウムを摂取しないと何が起こるのでしょうか?まず血液中のレベルが低下します。生きていく上で絶対的に重要な機能を維持するためには、血液中に健全なレベルのカルシウムが不可欠となります。したがって、体が必要なカルシウムを骨から抜き取り、弱く脆い骨になってしまいます。ではその働きを見てみましょう。血液中の低カルシウムレベルを感知すると、副甲状腺が副甲状腺ホルモンを放出し、これがカルシウムが骨から放出され、血流の中に入ることをサポートします。
食生活から十分なカルシウムを摂取または補給することで、体は必要な量を保つことができるため、骨から抜き取られることがなくなります。牛乳、チーズといった乳製品はカルシウムの優れた供給源ですが、乳糖不耐症の方などもいらっしゃるため、必ずしも皆にとって機能するとは言えません。他のカルシウムの天然源には、葉物野菜(ケール、コラード、ホウレンソウ、かぶ菜、マスタードグリーン)、ブロッコリー、豆、アーモンド、ごま、オクラ、ドライイチジク、オレンジ、チンゲンサイなどがあります。鮭、イワシ、マグロといった数種類の魚も、食べることでカルシウムを摂取することができます。食生活から十分なカルシウムを摂取できていないと感じている場合、カルシウムのサプリメントを取ることも可能です。
しかしながら、カルシウムを単体で摂取するだけでは骨の健康を維持するには不十分です。体はミネラルを吸収し、それを効果的に使用しなければなりません。これからご覧いただくように、カルシウムだけでは骨を丈夫で健康にすることはできません。サポートが必要となります。カルシウムの機能を手助けし、あらゆる面で骨の健康をサポートする主要なものには、ビタミンD、ビタミンK2、マグネシウムがあります。事実、これらのミネラルが不十分な状態でカルシウムだけを過剰に摂取することは、むしろ害を与えかねません。
骨の石化など、多くの面でカルシウムは確実に必要であり、また血液中のカルシウムレベルはしっかりと調節する必要があります。血液の循環にカルシウムがあまりにも多く含まれていると、血管、筋肉、腸、腎臓など問題を引き起こしかねない場所に入ってしまうことがあります。これらの場所に過度のカルシウムが蓄積されると、便秘、腎臓結石、不整脈や筋けいれんを引き起こす可能性があります。また、動脈内のプラーク形成、血餅、アンギナ(急性扁桃炎)、心臓発作、脳卒中のリスクを上昇させるプロセスも引き起こすことがあります。ここで助けになるのがマグネシウムとビタミンK2です。
2. ビタミンD
ビタミンDは骨の健康のために摂取される、最も人気のあるサプリメントの一つです。食事やサプリメントから摂取したカルシウムの吸収を助けるために、ビタミンDは必要となります。ではその働きを見てみましょう。
血液中のカルシウムレベルが低下すると、PTH(副甲状腺ホルモン)は損失を補うために、骨からカルシウムを引き抜く以外の目的を果たします。また、PTHはより多くのビタミンDを生成するよう腎臓に伝えますが、これは腸からカルシウムを吸収するために必要となります。
IOF(国際骨粗しょう症財団)によると、60歳以上の方は、一日に800~1000IUを摂取することで転倒や骨折のリスクを20%ほど減らすことができるといいます。[1]
研究者は、ビタミンDがいかにして健康の様々な側面に影響を与えるかについて、さらに多くの洞察を得ています。
例えば、健康的なビタミンD状態を維持することは以下につながります。
- 免疫力を調節する手助けとなる (自然免疫を高め、感染症と闘う。適応免疫を調節し、自己免疫疾患のリスクを減らす)
- 炎症の低下
- 心臓疾患のリスク軽減
- うつ病に伴う症状の軽減
- 健康な妊娠を維持し、幼少期における喘息、気道感染、喘鳴障害のリスク軽減
日光に肌を露出することで、ビタミンDは生成されます。脂肪の多い魚など、特定の食品は一定量のビタミンDを含んでいます。しかし、日光と食事だけで健康なレベルを維持するのは困難です。 そのため、ビタミンDサプリメントの摂取は、骨の健康、免疫力、心血管の健康をサポートするのに重要なのです。
年齢、浅黒い肌、屋内で長時間過ごすこと、肥満、日焼け止めの頻繁な使用、セリアック病、炎症性腸疾患など、特定の要因によってビタミンD不足のリスクが増加します。これからご覧いただくように、マグネシウムの不足もビタミンD不足の重要な要因の一つです。体がビタミンDを正しく活用するためにマグネシウムが必要であることを、残念ながら多くの人は知りません。
3. マグネシウム
骨の健康に最も良いサプリメントを考えた時、カルシウムとビタミンDしか思いつかない方もいらっしゃるかと思います。丈夫な骨作りにこの二つはもちろん重要ですが、マグネシウムも同様に重要です。ではどう機能するのでしょうか?
- マグネシウムはカルシウムの吸収・活用に役立つ。
- 肝臓の酵素は、ビタミンDをカルシトリオール(体が利用できるビタミンDの活性型)に変換する余因子としてマグネシウムを必要とする。
- マグネシウムはPTH(副甲状腺ホルモン)とビタミンDと一緒に作用して、カルシウムレベルを調整する。
- 血液中のカルシウムレベルが上がると、マグネシウムは甲状腺からカルシトニンを生成するよう刺激する。カルシトニンは、血液や軟組織からカルシウムを排除し、それを骨に戻す。これによって骨密度を改善し、骨粗しょう症を予防する。
- マグネシウムは健康な筋肉や神経の機能を維持する。マグネシウムレベルが低下すると筋力の低下を引き起こす可能性があり、転倒や骨折のリスクを増加させる。
さらにマグネシウムは血液中のカルシウムレベルを調節します。用心深い門番のように、余分なカルシウムの細胞侵入、損傷を防ぎます。
2017年に疫学のヨーロピアンジャーナルで発表された研究では、中年の白人男性の場合マグネシウムレベルが高いと骨折リスクが約44%低下することが分かり[2]、また2013年の研究では、マグネシウム不足が与える影響を以下のように強調しています。「結晶形成、骨細胞に作用し、骨粗しょう症に直接影響をおよぼす。また、副甲状腺ホルモンの分泌と活動に強く影響を与え、低悪性度の炎症を促進することで、間接的に影響をおよぼす。概して、マグネシウム恒常性の維持は骨統合性の維持に役立つこと を示している。」[3]
ビタミンDを大量に摂取しているのに、骨や筋肉の痛みなど、一般的にビタミンD不足と関連する症状に悩まされていませんか?ビタミンDの代謝においてマグネシウムが重要な役割を担っていることを考慮すると、このような反応が起こっても驚くことはありません。マグネシウムが低いということは、体が効率的にビタミンDを利用できていないということです。
またビタミンDを大量に摂取すると、マグネシウムもさらに必要になります。結局のところ、ビタミンDを活性型に、使用できる形に変換するにはこのミネラルが必要なのです。さらにビタミンDを利用・吸収するために必要な酵素も、余因子としてマグネシウムを必要としています。したがって、もしビタミンDを過剰に摂取しているのならば、あなたの体はマグネシウムが主に蓄えられている骨や歯、筋肉からそれを抽出し、体内でさらなるマグネシウム不足を引き起こしてしまうのです。結果として、筋力の低下、関節の痛み、筋けいれん、不整脈、慢性疲労、便秘、偏頭痛などの症状が現れます。
骨の健康をサポートする以外にも、多くの機能のためにマグネシウムは必要です。
- DNAの合成と修復
- ATP(アデノシン三リン酸)の生産
- 脂肪、タンパク質、炭水化物の代謝
- ストレスホルモンの調節
- バランスの取れた神経伝達物質(不安、気分障害、ストレスに関与している)
- グルタチオンの合成(体が独自に生成する最も重要な抗酸化物質の一つ)
- ミネラルバランスの維持
ナッツ、種子、レンズ豆、全粒穀物、葉物野菜などの食品は、十分な量のマグネシウムを提供できます。しかしながら、今日世界中の人が経験している慢性的なマグネシウム不足には多くの要因が存在しています。
土壌の低ミネラル含量、慢性的なストレスや、全ての食品が不足している貧しい食生活などが、この重要なミネラルが不足してしまう主な理由です。精神的苦痛、金銭上の悩み、長期の病気や慢性感染症の対処などから来る慢性的なストレスはマグネシウムレベルを二つの方法で消耗させます。まず、ストレスは体から多くのマグネシウムを浸出させるため、ストレスの多い状況では多くのマグネシウムが尿と共に排泄される傾向にあります。次に、ストレスホルモンの塊とその副作用に対処するために、多くのマグネシウムを使用します。
また、高齢、炎症性腸疾患、低下した腎機能、糖尿病、特定の薬などは、血液中のマグネシウムのレベルを減少させてしまう可能性があります。その場合、通常マグネシウムのサプリメント摂取がレベルを向上させる最善の方法です。また、マグネシウムオイルスプレーを肌に使用することは、マグネシウムレベルの補給に非常に効果的です。通常の経口サプリメントだと、人によっては胃の不調、吐き気、嘔吐、下痢などを引き起こす場合もありますが、リポソームサプリメントはこれらのリスクを減らし、また非常に効果的でもあります。しかし、経皮経路であればこれらの一般的な副作用をほぼ完全に避けることができます。
4. ビタミンK2
ビタミンK2は体の多くの機能のために必要であり、その内の一つが体内のカルシウムの適切な利用と調節です。ビタミンK2は、体内に利用可能なカルシウムが骨や歯といった必要としている組織に必ず供給されるよう機能します。また、健康上の問題を引き起こす可能性のある場所にカルシウムが到達することを防ぎます。ではどう機能するのでしょうか?
ビタミンK2は、体内でのカルシウム利用の最適化に関与しているタンパク質を活性化します。 骨形成細胞である骨芽細胞から分泌されるタンパク質、オステオカルシンを活性化させます。ではオステオカルシンはどんな役割を持っているのでしょうか?これはカルシウムを血液から抜き出し、骨組織と結合させ、骨密度の増加につなげます。これにより骨は丈夫になり、骨折しにくくなります。オステオカルシンはビタミンK2なしでは完全に活性化することはありません。
マトリックスGlaタンパク質(MGP)は、機能するためにビタミンK2を必要とするもう一つのタンパク質です。最も効果のあるカルシウム阻害剤の一つとして、MGPはカルシウムと結合して動脈から除去することで蓄積を防ぎます。
19のランダム化比較試験の2015年のメタ解析では、ビタミンK2は骨質量密度を維持し、向上させる役割を担っており、また骨粗しょう症を持つ閉経後の女性の骨折リスクを減少すると結論づけました。[4]その他の研究では、ビタミンK2サプリメントは閉経後の女性の骨量減少を予防できることが分かりました。これは、本質的にはビタミンK2であるMk-7の補給は、骨密度と老齢に伴う骨強度の低下を減少させたことを示唆しています。[5]
ビタミンK2は、納豆、チーズ、ザワークラウトなどの発酵食品から多く摂取することができます。肉、卵、乳製品も一定のビタミンK2を含んでいますが、体が必要としているK2量を満たすには不十分です。納豆などの発酵食品を定期的に消費していない限り、健康な食生活でも十分なK2は含まれていないでしょう。ビタミンK2不足は高品質のビタミンK2サプリメントを摂取することで回避することができます。肝臓疾患、セリアック病、クローン病などの要因と、スタチン薬の使用、低脂肪の食生活、抗生物質の長期使用などは、ビタミンK2不足を引き起こします。
定期的な運動の重要性を見落とさないように
骨粗しょう症を予防するカギとなるのは、幼少期から成人早期の間に丈夫な骨を作ることです。前述したとおり、この時期は最大骨量を得ることのできる期間です。十分な栄養とミネラル摂取の維持は非常に重要ですが、ウォーキング、ランニング、階段の上り下りなど、特に体重に負荷をかける定期的な運動は同様にとても重要となります。さらに水泳やサイクリングは筋肉を強化し、これによって骨の健康も向上します。
骨の健康のためにカルシウムとビタミンDを摂取したのなら、マグネシウムとビタミンk2も忘れずに。これらの栄養素は連携して機能し、骨密度を向上させ、老齢後の骨粗しょう症リスクを減らします。
翻訳者: 渡辺秀平
参照:
- Vitamin D. International Osteoporosis Foundation
- Kunutsor et al. Low serum magnesium levels are associated with increased risk of fractures: a long-term prospective cohort study. European Journal of Epidemiology. 2017
- Castiglioni te al. Magnesium and Osteoporosis: Current State of Knowledge and Future Research Directions. Nutrients. 2013
- Katarzyna Maresz. Proper Calcium Use: Vitamin K2 as a Promoter of Bone and Cardiovascular Health. Integr Med (Encinitas). 2015
- Huang et al. Does vitamin K2 play a role in the prevention and treatment of osteoporosis for postmenopausal women: a meta-analysis of randomized controlled trials. Osteoporos Int. 2015
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