レスベラトロールが持つ5つの主な健康効果 (SQ-105)
近年多くの研究が、慢性疾患のリスク軽減および寿命の向上におけるレスベラトロールの役割を調査するようになってきました。そしてその調査は、レスベラトロールが素晴らしい健康効果を実際に与えてくれることを示しています。
これは、二つの主なメカニズムによって機能すると考えられています。一つはフリーラジカルの除去。もう一つはサーチュインの活性化です。サーチュインは特別な酵素の一つであり、健康と寿命を調節する様々なプロセスに関与しています。
では、レスベラトロールとは何でしょうか?そして健康を増進する特性の秘密は何なのでしょうか?一緒に見ていきましょう。
レスベラトロールの概要
- いくつかの植物は、ストレスのたまる状況下でレスベラトロールを自然生成する。この保護化合物は、植物が真菌感染、病気、紫外線と闘う手助けをする。また、厳しい気候条件下や栄養素が不足している状態で、植物が生き抜くサポートをする。
- 主にブドウ類の皮および種、いくつかのベリー類、ピーナッツ、緑茶、ダークチョコレートに含まれている。
今回は、レスベラトロールの主な健康効果5つを詳しく見ていきたいと思います。
1. レスベラトロールにはアンチエイジング(老化防止)効果がある
抗酸化効果を発揮する:老化に関する有力な説の一つは、以下のようなものです。フリーラジカルが、脂質とミトコンドリアを含む、細胞およびその構造に酸化損傷を引き起こします。これが不必要な免疫反応を誘発し、全身の炎症、および細胞、組織、器官へ損傷を引き起こすのです。レスベラトロールは強力な抗酸化物質であるため、フリーラジカルを破壊し、組織への酸化ストレスを制限します。
さらに、ポリフェノールも体内にあるいくつかの主な抗酸化物質のレベルを向上させ、フリーラジカルおよび酸化損傷と闘うさらなる活力を体に与えます。
これらのフリーラジカルはどこから来るのでしょうか?皮肉なことに、様々な細胞反応の副生物として体自身がフリーラジカルを生み出しているのです。これらの分子は、細胞がエネルギーを作り出す、または免疫細胞が病原体と闘う際に生成されます。感情的ストレス、慢性感染症、アルコール乱用、薬物の過剰使用、および毒素、化学物質、放射能への暴露といった外部要因もフリーラジカルの生成を増加させます。
体は酸化や炎症を適度に抑えるために、特定の場所に生まれ持った抗酸化システムを有しています。これにより体内で抗酸化物質が作られます(内因性抗酸化物質と呼ばれます)。そして健康的で栄養豊富な食事も、様々なミネラル、ビタミン、その他の抗酸化物質を外部から供給し、体がフリーラジカル、炎症、病気をコントロールするのに役立ちます。レスベラトロールは私たちが知る抗酸化物質の中で最も強力なものの一つです。抗酸化物質としては、ビタミンCやビタミンEよりも強力な可能性があると複数の研究が示唆しています。
サーチュインを活性化する:レスベラトロールは、タンパク質のサーチュインファミリーの一つである、SIRT1を活性化します。サーチュインは、多くの細胞プロセスおよび生物学的プロセスを調節することで知られる酵素の一種です。SIRT1は、エネルギー代謝、細胞生存、炎症および免疫機能、DNA修復メカニズム、概日リズム、ミトコンドリア機能、内部ストレスおよび環境ストレスへの細胞反応などに影響を与える、様々な経路を調節します。
レスベラトロールはSIRT1を活性化するため、炎症、DNA修復におけるエラー、代謝障害によって引き起こされる病気の予防に役立つ可能性があることを、複数の研究が示唆しています。カロリー制限によって健康や長寿が推進されることをご存知の方もいらっしゃると思います。複数の研究は、(体が必要としている栄養素を十分に摂取することを前提に)カロリー摂取を減らすことでもサーチュインは活性化されると示唆しています。
サーチュインを活性化することで、レスベラトロールはミトコンドリア(細胞のためのエネルギー生成の役割を担う小さな器官)の数を増やし、その機能を向上させます。ミトコンドリアは炭水化物、タンパク質、脂肪を燃焼させエネルギーを作り出します。このプロセスも、副生物としてのフリーラジカルを狂わせます。フリーラジカルの主なターゲットおよび被害の対象がミトコンドリアとそのDNAになるのです。ミトコンドリアの健康や機能の低下は、加齢および年齢と関連した疾患と関係しています。レスベラトロールはミトコンドリア内の抗酸化酵素レベルまでも向上するのです。
別のメカニズムを介することで、レスベラトロールは老化を遅らせる可能性があると考えられています。レスベラトロールは、古くなり分裂ができなくなった老化細胞を復活させる可能性があると、とある予備研究は示唆しています。老化細胞の蓄積は、通常老化と共に現われる慢性疾患と関連しています。 [1]
2. レスベラトロールは心臓の健康を維持する
レスベラトロールは、酸化損傷を減らし、炎症を抑制することで心臓の健康をサポートします。酸化損傷も、内皮の健康および機能を調節する分子である、一酸化窒素(NO)の可用性を減少させます。内皮とは、動脈壁の内側を覆っている細胞の脆い層のことです。内皮機能の低下は、アテローム性動脈硬化症、動脈の炎症、心臓疾患の発症と直接的な関係があります。
レスベラトロールは以下の効果によって心血管の健康の維持に役立ちます。
- 心臓疾患発症要因の一つである、低密度リポタンパク質(LDL)の酸化を予防する。
- 一酸化窒素の生成を促すことで、内皮機能を向上させる。 [2] 天然の血管拡張剤として、一酸化窒素は血管を拡張およびリラックスさせるのにも役立つ。これは血圧の低下にも寄与する。
- 細胞の抗酸化酵素レベルを向上させる。これは心血管系における酸化損傷の軽減に役立つ。
- 血餅の形成を予防する。
さらに長期的な臨床試験は必要ですが、これまでのところ有望な調査結果が出ています。このレビューでは、レスベラトロールのミトコンドリア生成における役割同様、その抗酸化効果が強調されており、以下のように報告されています。「このポリフェノール化合物は、ミトコンドリア生合成を促進することで、ミトコンドリアのスーパーオキシド生産を減少させる。レスベラトロールは、テトラヒドロビオプテリン合成酵素GTPシクロヒドロラーゼIを上方調節することにより、非共役内皮型一酸化窒素合成酵素のスーパーオキシド産生を予防する。さらに、レスベラトロールは様々な抗酸化酵素の発現を増加させる。」 [3]
このレビュー論文は、レスベラトロールの抗酸化効果が、心臓への効果を含むその健康効果の主な要因となっていることを明記しています。
別のレビューでは以下のように結論しています。「高血圧症、肥満、炎症、糖尿病、脂質異常症に対する健康効果を考慮すると、レスベラトロールは、心血管疾患の発症リスクの増加と関連しているメタボリックシンドローム(代謝症候群)の治療に対する、興味深い薬理学的なアプローチとなる可能性がある。」 [4]
3. レスベラトロールは脳の健康をサポートする
多くの研究が、レスベラトロールは脳の健康をサポートする可能性があることを示唆しており、これはその抗酸化効果および抗炎症効果によるものであると言われています。脳は多くのエネルギーを必要としているために酸化損傷の影響を非常に受けやすく、これはすなわち、エネルギー生成の過程でミトコンドリアが生みだしたフリーラジカルに常にさらされているということです。
これはアルツハイマー病のリスクも減らすことができるのでしょうか?レスベラトロールは脳の炎症を軽減するため、この神経変性疾患の進行を遅らせることにおいて重要な役割を担っている可能性があります。
2017年のとある研究で、レスベラトロールがアルツハイマー病患者の血液脳関門の整合性を保護することが分かりました。これは、脳の炎症を促進したり、神経細胞を破壊する可能性のある有毒な炎症分子が、脳組織を貫通するのを防ぎます。 [5]
この研究で、研究者はレスベラトロールが投与された患者の脳脊髄液における、マトリックスメタロプロテアーゼ9(MMP-9)レベルが低下したことを発見しました。これはSIRT1が活性化した際に起こります。MMP-9レベルの増加は、血液脳関門の漏洩または欠陥を引き起こします。これにより外部のタンパク質や分子が脳内に容易く侵入してしまい、損傷を引き起こします。
さらにレスベラトロールは、脳に損傷を与える可能性がある異常タンパク質を、適応免疫系が分解・除去するのに役立つ特定の保護分子をも増加させます。研究者は「これは望まれていた免疫反応であり、神経毒性タンパク質を除去・分解するものである」としています。 [6]
研究者は、レスベラトロールだけではアルツハイマー病患者の治療に効果的ではないことに言及していますが、調査結果は非常に素晴らしいものでした!
4. レスベラトロールは2型糖尿病管理に役立つ
レスベラトロールは2型糖尿病患者の血糖を下げ、またインスリン抵抗性を下げることが分かっています。 [7] [8] [9] これは肥満のリスクも低下させる可能性があります。
この抗酸化特性および抗炎症特性が直接的な役割を担う一方で、代謝機能の改善においてレスベラトロールが機能する可能性のある多くのメカニズムが存在します。 [10]
一つ目に、レスベラトロールは細胞のインスリン感受性の向上を手助けするサーチュイン1(SIRT1)を活性化します。主に細胞核に存在しているSIRT1は、膵臓のベータ細胞からの放出されるインスリンというホルモンを制御します。インスリンは、血液中のグルコース(ブドウ糖)を細胞が吸収・活用するのを促進するため、血糖値の調節において中心的役割を担っています。またSIRT1は、代謝ストレス、炎症、老化によって引き起こされる損傷からインスリン分泌ベータ細胞を保護します。老化、2型糖尿病、肥満によってもたらされる動脈壁硬化の軽減にレスベラトロールが有効な理由は、SIRT1の活性化にある可能性があるのです。
二つ目に、レスベラトロールはAMP活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)の活性を増加させます。これは、体による脂肪およびグルコースの使用を調節する、酵素の一種です。これは肥満リスク、その他の太りすぎに関連するリスクを軽減します。
三つ目に、レスベラトロールは一酸化窒素レベルを増加させ、内皮機能を向上させます。これはインスリン抵抗性の向上にも役立ちます。
新たなデータは、レスベラトロールが代謝障害にどのように役立つかにおいて、別の観点をもたらしました。2018年の新しい研究は、レスベラトロールが腸内微生物叢と相互作用することを報告しています。これは「有益な代謝の結果」と結びつく方法で、細菌の配列を変更します。 [11]
2017年にアメリカ心臓協会で発表された調査では、レスベラトロールは2型糖尿病患者における動脈の硬化を軽減することが分かりました。 [12] 血中のグルコースレベルが高いと動脈に炎症・損傷をもたらし、硬化を引き起こします。老化も動脈の硬化を引き起こす一方で、糖尿病患者は早期の動脈硬化を患い、高血圧、心臓発作、さらには脳卒中といったあらゆる健康リスクが増加します。
高血糖が血管の炎症や損傷を引き起こし、大血管と微小血管の両方に機能障害をもたらすことは分かりました。しかしこれは心臓の健康を損なうだけでなく、脳への血流を悪くするために脳の健康にも悪影響をもたらし、2型糖尿病患者の進行性認知症リスクを増加させるのです。 別の研究では、レスベラトロールのサプリメントが脳血管機能を向上させ、2型糖尿病患者の認知能力を維持することが示されています。 [13]
5. レスベラトロールは肌の健康をサポートする
レスベラトロールが長寿と関連している特定のタンパク質を活性化することで、どれほど健康と寿命を促進することができるのかは分かりましたね。であれば、レスベラトロールが肌を早期老化から保護することも驚きには値しないでしょう。
紫外線照射は、細胞、その脂質およびDNAに損傷を与えることで知られる、フリーラジカルの形成を誘発します。日光の浴び過ぎは、肌の早期老化、しわの形成や乾燥肌を引き起こします。フリーラジカルも、肌の若々しさや弾力性を担うタンパク質である、コラーゲンの生成に影響を与えます。
レスベラトロールはどのようにして役立つのでしょうか?
- 紫外線照射やその他の環境的要因によって引き起こされた酸化損傷から肌を保護する。
- 肌損傷の修復に役立つ。
- コラーゲン合成に役立つ。
高品質のレスベラトロールサプリメントの摂取は、病気や加齢と闘うのに役立ちます。しかし、消化が早くすぐ体から出ていってしまうため、吸収が悪く、その能力も台無しになってしまいます。
レスベラトロールはリポソーム型での摂取が最適です。リポソームレスベラトロールサプリメントは、細胞へ届く抗酸化物質の量を向上するのに有効であるため、最大限の健康効果を提供してくれます。
翻訳者: 渡辺秀平
参照:
- E Latorre et al. Small molecule modulation of splicing factor expression is associated with rescue from cellular senescence. BMC Cell Biology. 2017
- Xia et al. Effects of resveratrol on eNOS in the endothelium and the perivascular adipose tissue. Ann N Y Acad Sci. 2017
- Ning et al. Antioxidant effects of resveratrol in the cardiovascular system. British Journal of Pharmacology. 2016.
- Dominique Bonnefont-Rousselot et al. Resveratrol and Cardiovascular Diseases. Nutrients. 2016.
- Moussa et al. Resveratrol regulates neuro-inflammation and induces adaptive immunity in Alzheimer’s disease. Journal of Neuroinflammation 2017
- Press Release. Resveratrol Appears to Restore Blood-Brain Barrier Integrity in Alzheimer’s Disease. Georgetown University Medical Centre. 2016.
- Zhu et al. Effects of resveratrol on glucose control and insulin sensitivity in subjects with type 2 diabetes: systematic review and meta-analysis. Nutr Metab (Lond). 2017
- Liu et al. Effect of resveratrol on glucose control and insulin sensitivity: a meta-analysis of 11 randomized controlled trials. Am J Clin Nutr. 2014
- Goh et al. Effects of resveratrol in patients with type 2 diabetes mellitus on skeletal muscle SIRT1 expression and energy expenditure. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2014.
- Wong et al. Resveratrol Counteracts Insulin Resistance&mdashPotential Role of the Circulation. Nutrients. 2018
- Chaplin et al. Resveratrol, Metabolic Syndrome, and Gut Microbiota. Nutrients 2018.
- Can the antioxidant resveratrol reduce artery stiffness in diabetics? American Heart Association. 2017.
- Wong et al. Low dose resveratrol improves cerebrovascular function in type 2 diabetes mellitus. Nutrition Metabolism & Cardiovascular Diseases. 2016.
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