マグネシウムは健康的なデトックスにいかにして役立つのか (SQ-90)
毒素への慢性的、長期間の暴露は、体の11の器官系に機能障害を引き起こし、病気になってしまう可能性があります。産業廃棄物による汚染、重金属、放射線被曝、タバコの煙、または着色料、防腐剤、添加物、農薬に一般的に含まれている合成化学物質など、残念なことに私たちはあらゆる毒素に常に曝されてしまっているのが現実です。事実、シャンプー、髪染め、石けん、日焼け止め、スキンケアクリーム、さらには歯磨き粉を含む、美容衛生商品すべてに、いずれかの種類の合成化学物質が含まれています。
細胞に毒素や重金属が蓄積されると、エネルギーレベルの低下、疲労、筋肉痛などにも苦しみます。それは、細胞があるべき状態で効率的に機能できていないためです。これらの毒素は細胞や組織に蓄積され、低度の慢性炎症を引き起こします。これは、細胞障害や、ホルモンの不均衡、甲状腺の問題、免疫不全、アレルギー、発達問題、不妊症、（パーキンソン病、アルツハイマー病、認知機能の低下といった）神経障害などさまざまな疾患につながります。有毒化学物質はガンリスクを高める可能性が（高い確率で）あります。
幸運なことに、体は体内の毒素を自然に除去しようとする作りになっています。この生来備わっているデトックスシステムは、肝臓、腎臓、肌、腸、そして多くのビタミン、ミネラル、酵素、その他の抗酸化システムから成っています。このリストの中でマグネシウムは、病気を引き起こす可能性のある毒素や有害物質を体から浄化する上で、非常に重要な役割を担っています。
マグネシウムは体内から重金属を除去することで知られる抗酸化ミネラルです。また、放射性損傷から細胞を保護し、スムーズなデトックスを行うのに必要なエネルギーを供給します。最も重要なのは、体内に最も強力な抗酸化物質であるグルタチオンを作るためにマグネシウムが必要であるということです。グルタチオンは肝臓のデトックスにおいても重要です。さらにこの他にもマグネシウムは健康的なデトックスに役立ちます。一緒に見ていきましょう。
デトックスにおけるマグネシウム
マグネシウムは、体の生存、修復、維持に必要な何百もの生化学反応を促進する素晴らしいミネラルです。マグネシウム不足は、心血管疾患、2型糖尿病、メタボリックシンドローム（代謝症候群）、筋けいれん、線維筋痛症、耳鳴り、月経前症候群、うつ病、偏頭痛を含む多数の健康状態に関与しています。
では体の浄化にはどのように役立つのでしょうか？
1. デトックスに必要なエネルギーの生成
細胞は、複製、修復、再生、細胞間シグナル伝達、維持、細胞廃棄物および毒素を細胞から洗浄するなど、日々の機能を実行するためにエネルギーを必要としています。
マグネシウムは、細胞がアデノシン三リン酸（ATP）分子としてエネルギーを作り出すプロセスに不可欠な要素です。これは、その細胞が毒素の排出など重要な役割を果たすための主要なエネルギー通貨として機能します。
さらに、酵素ATPアーゼの正常な機能には大量のエネルギーが必要となります。この酵素は細胞内にカリウムイオンを取り込み、ナトリウムイオンを汲み出します。また、膜を通って他の栄養素を輸送し、細胞および細胞外液のミネラルレベルを正常に保ち、そしてもちろん毒素や細胞の残骸を除去するために、細胞はこの酵素を必要としています。
マグネシウムは細胞の余分なカルシウムを排除する役割も担っています。カルシウムは体内において重要な機能を果たしますが、細胞や組織内にカルシウムが過剰に存在すると損傷を引き起こすことがあります。例えば、アテローム性動脈硬化症、腎臓結石、便秘の要因となり得ます。
過剰なカルシウムはマグネシウムを枯渇させるだけでなく、細胞膜の柔軟性を失わせるため、その機能が損なわれます。 細胞膜はユニークな構造を持っており、毒素や不要な物質を防ぐように出来ています。それだけでなく、必要とされる重要な物質をも取り込める柔軟性も持ち合わせています。
2. 重金属のデトックス
アルミニウム、カドミウム、水銀、鉛を含む重金属を除去するためには、健康なレベルのマグネシウムが必要です。このミネラルの不足が深刻になると、これらの重金属が細胞内に蓄積してしまいます。重金属の毒性は、以下を含むあらゆる健康状態や神経系障害と関連しています。
- カドミウムへの暴露は腎臓、肺、骨への損傷を引き起こす可能性がある。また、生殖系、心血管系、呼吸器系にも影響を与えることがある。
- 鉛への暴露は体全体のシステムの損傷を引き起こす可能性があるが、特に神経系、骨、腎臓に対して有害となる。また、小児は鉛中毒の影響に一層脆弱であり、IQの低下、学習問題、発達障害、および注意力や記憶力の低下などを引き起こす可能性がある。
- 水銀は神経毒である。水銀への急性および長期暴露は、神経系、消化器系、肺、腎臓、肌への悪影響を与える可能性がある。
- アルミニウムへの暴露は、骨疾患および神経系障害を引き起こす可能性がある。
複数の研究は、重金属への暴露はアルツハイマー病発症の要因になると示唆しています。 [1]
体にマグネシウムが十分に足りていないと、体はデトックス機能を効率的に行えません。しかし、重金属を除去できる方法の一つは、マグネシウムとその他のミネラルの摂取量を増やすことです。
酵素は機能するために余因子を必要としており、ほとんどのビタミンやミネラルはその余因子となります。ミネラルが存在しないと、重金属は酵素に付着するようになり、酵素活性障害や、毒素・重金属の除去を含む細胞機能の不全を引き起こす可能性があります。マグネシウムやその他のミネラルのレベルが低いと、重金属はいとも簡単に細胞へ侵入してしまいます。また、マグネシウムは腸での重金属の吸収を軽減します。
3. グルタチオン合成における役割
グルタチオンは、肝臓で起こるデトックス経路において重要な役割を担っています。肝臓、肺、腎臓は非常に高いレベルのグルタチオンを含んでいることはご存知かと思います。これらの器官系は、体の毒素除去に深く関与しています。グルタチオンは非常に強力な抗酸化物質で、フリーラジカルを抑制し、体内の酸化ストレスを緩和するのに役立ちます。グルタチオンは以下の機能を有しています。
- 脂溶性毒素を、細胞への損傷が低い別の形態に変換する。
- 上記のプロセス中に集められるフリーラジカルが引き起こす酸化損傷から肝臓を守る。
- 毒素と結合しそれらを水溶性にする。この段階を経ることにより、体は腎臓、腸、肌を通って毒素を簡単に除去することができる。グルタチオンはフリーラジカル、重金属、タバコの煙の毒素、発ガン性物質、薬剤、その他の汚染物質と結合することができる。
- フリーラジカルを単独で中和し、また役割を終えて失速したその他の抗酸化物質に再び活力を与える。
- 放射線被曝から保護し、DNA修復に役立つ
グルタチオン不足は、蓄積された毒素や、水銀・鉛・ヒ素といった重金属を除去する、体が持つ能力を損なわせる可能性があります。グルタチオンレベルが低いと、免疫機能不全や、酸化損傷・炎症レベルの増加をも引き起こすことがあります。これらすべてによって、体は感染症や病気になりやすくなります。
以上が、あなたを健康に保ち、毒素を排除するために、グルタチオンがいかにして機能するのかという話でした。しかしマグネシウムはこれとどう関連しているのでしょうか？マグネシウムはグルタチオン合成において不可欠な余因子として機能します。具体的には、マグネシウムは、グルタチオンの産生を促進する酵素である、グルタミルトランスペプチダーゼ（GGT）を活性化します。 [2]
加齢、慢性ストレス、暴飲、薬物の過剰使用など、体内のグルタチオン不足につながる要因は数多くあります。低マグネシウムレベルは、低グルタチオン状態の要因にもなり得ます。
4. 抗酸化特性
重金属や環境毒素は、フリーラジカルの過剰生成によって細胞や組織に害を及ぼします。これらの揮発性分子は、タンパク質、酵素、ミトコンドリア、膜脂質、DNAを含む細胞組織に損傷を与えます。
体が（重金属、タバコの煙、電離放射線、アルコール、農薬、薬物といった形で）毒素に曝されているとき、それらのスムーズな除去は、体の抗酸化物質の状態に依存します。マグネシウムは体内で酸化破壊を生み出すフリーラジカルの中和に優れているだけでなく、体内の武器庫において最重要かつ最強の抗酸化兵器である、グルタチオンの産生にも役立ちます。
フリーラジカルはDNAに損傷を与え、これは突然変異、ガン、染色体異常などにつながる可能性があります。 内的要因（DNAの複製プロセスにおける欠陥）および外的要因（毒素や放射能による損傷）の両方によって引き起こされる損傷のいくつかを体が自己修復できるプロセスは多く存在します。マグネシウムは、DNA修復に関与する酵素の余因子としての役割を介して、DNA修復に役立ちます。これはDNA生産や複製、またDNA複製中に起こるエラーの補正に必要な酵素である、DNAポリメラーゼを活性化します。
5. アルカリ化特性
体は、健康的な酸 - アルカリバランスを維持する必要があります。カルシウム、カリウム、マグネシウムといった天然ミネラルはアルカリ化特性を有しており、体がこのバランスを維持するのに役立ちます。これらは酸を中和し体から除去しますが、不足するとカルシウムやマグネシウムといったミネラルが骨、筋肉、その他の組織からの浸出する原因となります。そしてこれは、脆弱骨や、真菌・ウイルス・細菌など微生物の過剰成長を含む、あらゆる健康問題へとつながります。
最も重要なのは、ミネラルの枯渇と高酸性レベルは、体が持つ廃棄物除去の能力を妨害し、それが毒素という形で細胞や組織に分布して堆積してしまうということです。
6. 薬物やアルコールをデトックスする際の禁断症状の対処に役立つ
薬物やアルコールを断とうとする過程において、人は通常、不安、うつ、高ストレス、低エネルギーレベル、頭痛、不眠症など、苦しい禁断症状を経験します。またアルコールや薬物のデトックス中には、疲労や筋けいれんなども経験します。
マグネシウムは、神経系を落ち着かせ、これらの症状のほとんどを緩和するのに非常に役立つと、研究は示唆しています。例えば、マグネシウムは以下のような効果があります。
- ストレスホルモンレベルを抑制する
- 気分の調節、睡眠やストレス応答に関与している神経伝達物質の合成に役立ち、それによって気分の向上と良い眠りを促進
- エネルギーの生産に役立つ
- 筋肉をリラックスさせ、痛みを伴う筋けいれんを軽減する
体が慢性的に毒素に曝された場合、これらの刺激の強い化学物質、酸、重金属、放射能を中和・除去し、また有害な影響を打ち消すために、強力な抗酸化物質とミネラルのサポートを必要とします。体はこれを成し遂げるために、より多くのマグネシウム（および他のビタミンとミネラル）を使用します。これがマグネシウム不足へとつながり、同時に更なるミネラルが必要となります。
要約すると、健康的なレベルのマグネシウムは以下のような効果があります。
- 細胞が細胞膜の完全性および柔軟性維持に必要とする、十分なエネルギー作りに役立つ。これは毒素の除去、および細胞内・外の両方において最適なレベルのミネラルの維持に役立つ。
- 抗酸化物質として機能し、毒素や重金属への暴露によって生成されたフリーラジカルと戦う。これは酸化損傷および炎症を軽減する。
- 体が持つ天然のデトックスシステムの中心的存在の抗酸化物質、グルタチオンの産生に役立つ。グルタチオンはあらゆる種類の毒素と結合し、それらを除去する。
- 過剰な酸を中和する
- 体から重金属を除去する
その他のマグネシウム健康効果
- 心臓疾患のリスク軽減
- 骨の健康向上、高齢者の骨粗しょう症および骨折リスクの軽減
- 慢性疲労症候群および線維筋痛症の症状改善に役立つ
- エネルギーレベルの向上
- 月経前症候群（PMS）症状の改善
ほとんどの人がマグネシウム不足です。これは、土壌やその土の中で育つ食物を（マグネシウム含む）ミネラル不足にしてしまう、肥料の過度の使用が原因です。慢性的なストレス、消化管の状態、2型糖尿病、加齢、薬物の過剰使用、抗生物質、アルコールやコーヒーも、体からマグネシウムを枯渇させます。では何ができるのでしょうか？
幸いなことに、正しいマグネシウムサプリメントを摂取することで、マグネシウム不足は簡単に解消することができます。通常の経口サプリメントだと、あまり効率よく細胞に吸収されません。また特に多量に摂取した時などは、膨満感、下痢、過敏性大腸症候群など、消化器の問題も引き起こします。しかし、リポソームマグネシウムサプリメントは細胞に対してミネラルをより使用できるようにし、マグネシウムをより良く再調節します。
高品質リポソームマグネシウムサプリメントで、健康的なデトックスをサポートしましょう。
翻訳者: 渡辺秀平
参照：
- Lee et al. Pathogenic Mechanisms of Heavy Metal Induced-Alzheimer’s Disease. Toxicology and Environmental Health Sciences. 2018.
- Benefits of magnesium and its role as a glutathione cofactor. Immune Health Science.
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