禁煙するための6つの自然な方法 (SQ-17)
タバコの煙には7,000以上の有害物質が含まれており、これらの化学物質の内、60以上が発がん性物質です。あまり知られていませんが、タバコには肺に何十年も蓄積され肺がんの原因となる、ポロニウム-210とリード-210という放射性物質が含まれています[2]。タバコの煙は、口、喉頭(ボイスボックス)、咽頭(喉)、食道(嚥下管)、胃、膵臓、腎臓、膀胱、子宮頸部、結腸/直腸と骨髄性白血病を含む多くの種類のがんを引き起こす可能性があります[2]。また、早死、肺、慢性気管支炎、冠動脈性心疾患、および脳卒中などの呼吸器疾患のリスクを増加させて、胎児への重大な健康リスクももたらします。
多くの喫煙者はこのリスクを認識しており、タバコをやめることで長生きし、生活の質に影響する慢性疾患を防げることをしっています。それでも中毒の罠から抜け出すのは難しいです。多くの喫煙者は禁煙したがっていますが、その習慣を止めるのは再発性の高さによって、困難で厄介であると話します。一時的ではあるが、非常に強力な物理的、心理的な離脱症状が再発への原因となってしまいます。
ニコチンはコカインなどの麻薬と同じように作用し、脳内の化学物質を置き換え、医療心理的、生理的な助けなしでは克服するのが困難なドラッグを求める行動を促進させます。ニコチンパッチやガムなどの化学物質や薬物を使用した最も標準的な禁煙方法がありますが、ニコチンの離脱症状のストレスを救済する効果的で、科学的に証明済みの自然な方法があります。
- 針治療
針治療は、特に禁煙をしようとしている人にとって、不快なニコチン離脱症状を軽減するのに有効な薬物を含まない治療法です。この理念の根拠は、喫煙に関連付けられたきっかけ(例:誰かが喫煙したり、タバコを持っていたり、扱っているのを見る)が、喫煙に対する強い衝動を生成し、注意、意欲、報酬に関わる、薬物(ニコチン)を要求する行動を促進する脳の領域を活性化します。
精神薬理学(Berl)[3]によって発表された2013年の研究では、針治療によって欲求スコアが大幅に減少したことを示唆し、「針治療が注目、動機、報酬に関する初期禁欲段階の欲求スコアに影響する脳領域の活性化を制限し、きっかけによる衝動を和らげる」と結論づけました。 - 催眠療法
催眠療法や催眠は、ニコチン離脱と禁煙に対処するための役に立つ代替療法の可能性があります。これは視覚と呼吸運動の介入による方法で、知覚と集中力を増加させるのと同様に、高いリラックス効果をもたらし、トランス状態を誘導します。この手法は基本的に喫煙者の習慣のきっかけになる動機を抑え込み、健康的な考えを受け入れる精神を高めます。この分野の専門家は、もし本当に喫煙習慣を止める気持ちがあり、良い変化をもたらし、喫煙を効果的に健康な習慣に置き換えたい人にとっては、高い治療効果があると信じています。この時に催眠が最も効果的に働きます。また、このような治療は、希望する結果を達成するために、行動的、教育的な妨げになりません。
サンフランシスコVA医療センターの研究によると、ニコチンパッチ(NP)と組み合わせた場合、催眠は通常の行動カウンセリングと同等の効果があり、うつ病の病歴がある喫煙者の行動カウンセリングにおいて、非常に効果的な介入手法であることを示しています。その研究は、「催眠とニコチンパッチを組み合わせることは、長期の禁煙率において通常の行動カウンセリングよる良い効果が得られる」[4]と結論づけています。催眠が十分に確立された禁煙の治療法であるとした研究はあまりありませんが、メタ分析は、59の研究が、「催眠は禁煙治療において「有効性がある」ことが正当化できる可能性がある」[5]と結論づけています。 - 瞑想
何世紀も昔からの仏教の伝統に基づき、瞑想は心理的苦痛を軽減し、穏やかな精神と全体的な幸福を促進するとして知られています。瞑想は、ストレスや不安を最小限にし、積極的な感情と生産的でない心配を意味がる行動に向けるために、ストレス状況の理解を脅威から受容へと自主的に変化させる過程です。
瞑想トレーニングはストレス、うつ病、不安、さらには中毒のような身体的疾患において良い結果を示し始めました。エール大学精神医学医学科が実施した2011年の研究は、喫煙に対するこの手法を検証し、「瞑想トレーニングの初回試験の結果は、喫煙に対する既存の標準治療法よりも非常にすぐれた効果を与えることができる可能性がある」[6]と結論づけました。
別の研究は、この手法はニコチンに対する欲求を減少させるのに役立ち、瞑想トレーニングは「喫煙治療、日常的な瞑想は欲求と喫煙の関連を切り離す効果がある」[7]と結論づけています。 - 新鮮なライム
タイの医学協会誌に発表された2012年の研究では、新鮮なライムは、禁煙補助剤[8]として有効に利用することができることを示しました。これは、独自のリスクおよび副作用を持つニコチン代替物に置き換わる、容易に入手でき、安価で、かつ非毒性の代替物です。ライムは、喫煙者が自分の免疫障害を考慮し利用することができる驚異的な他の健康上の利点を持っています。ライムは、複数の薬剤耐性大腸菌の株および病原体を引き起こすコレラの破壊に対して、高い抗菌特性を示しています。 - 運動
古い習慣を捨て去りたいときにその穴を埋めるには運動が一番です。定期的な運動は体重減少、心疾患のリスク低下、高コレステロールおよび2型糖尿病のリスク減少などの多面的な健康上の利点があります。また、ニコチンへの欲求を抑え、体の毒素を浄化し、脳がエネルギー、幸福、リラックスを感じる化学物質を生成します。中毒に関する研究発表では、身体活動とタバコの欲求減少の関連性を示しています[9]。あなたが時間を使って物理的にアクティブでいることに集中すると、喫煙のことを考えない効果もあります。そのため、次にタバコを吸いたいと思ったときは、ランニング、水泳、サイクリングなどの身体活動をしてみてください。 - 栄養、ハーブやサプリメント
喫煙は体の重要な栄養素を奪い、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質というフリーラジカルと戦い、脳の健康を維持し、ストレスや不安と体が戦うのに役立つ強力なツールを、吸収し最適化する能力に影響します。新鮮で有機栽培のフルーツや野菜からなる健康な食事をすることは、これらのツールを体に供給するのにとても良いスタートポイントです。さらに、あるビタミンやハーブは喫煙を止めるのに特に効果があり、実際、タバコの煙に含まれる、ひどく有害な化学物質による損傷を制御するために体にとって必要です。
ビタミンC: 喫煙はビタミンCの数値を減少させ、喫煙者はより早く消費することは周知の事実です。一本のタバコがあなたの体内にあるビタミンCの25mgを消費します。 研究によるとタバコを6回吸うと、体内にあるすべてのビタミンCを消費します[10]。喫煙は体に圧倒的な酸化ストレスを与え、その結果、ビタミンC、また、フリーラジカルによる損傷に抵抗する抗酸化物質 の代謝を増大させます。
ビタミンCは喫煙によって誘発される酸化的損傷に対しての保護を提供し、損なわれた内皮機能に苦しむ傾向があり、それによってアテローム性動脈硬化症、高血圧症および心血管障害のリスクが非常に高い喫煙者の血管をリラックスさせるのに役立ちます。ビタミンCは、スーパーオキシドラジカルを除去する細胞内グルタチオンを保護し。NO[11] [12]の利用可能性を増加させることによって、例えば、様々なメカニズムを介して高内皮効率ならびに血管拡張を達成する手助けをします。また、妊娠中の喫煙者がビタミンCを補給することは、新生児に対する喫煙の毒性効果を減少させます[13]。
それ自身が強力な抗酸化物質であることに加えて、もう一つの強力な抗酸化物質であるビタミンEを体がリサイクルするのに役立ちます。喫煙者が明らかに恩恵を受けることができるサポートです。また、短期間のビタミンC補給はニコチンの欲求を抑え、肝臓と腎臓からカドミウム、鉛、ニコチンの毒素さえも排出することができます。副腎機能をサポートすることで、ビタミンCは禁煙時の体に対する追加ストレスにも役立ちます。興味深いことに、私たちの副腎には、漿中に存在する量よりも100倍以上にあたる高濃度ビタミンCが含まれています。
ビタミンB: ビタミンB群は神経系の健康を維持する上で重要な役割を果たしています。喫煙はビタミンB12、B6や葉酸のレベルを枯渇させます。公共健康栄養によって発表された研究は、非喫煙者と比較して、喫煙者は、血管および心血管疾患の発症をもたらすことができる低血清葉酸濃度を有することを示唆しました。また研究は、より高い白血球数が喫煙者の免疫機能の変化[14]を示している可能性があると結論付けました。しかし、ビタミンCが相互作用し、消化管でビタミンB12を破壊することに注意することが重要です。したがって、ビタミンB12及びビタミンCを一緒に摂取しないことをお勧めします。
ビタミンD: 研究はタバコの煙が低レベルのビタミンD[15]に関連し、喫煙は低血清ビタミンD[16]の重要の決定因子と考えられることを示唆しています。ビタミンD欠乏症は喫煙者における、骨粗しょう症、がん、低免疫、上気道感染症や心臓病などの様々な病気の高いリスクの原因となります。 オンラインの臨床科学で公開された2013年の研究では、ビタミンDレベルの減少は、喫煙者にタバコに関連するがん[17]を発症する高いリスクを与える可能性があると示唆しています。また研究は、ビタミンDサプリメントが喫煙者の健康を改善できることを強調しています。
高麗人参、セントジョンズワート、マリアアザミ、特にイワベンケイのようなハーブは離脱症状を軽減し、ニコチン中毒と闘うのに役立つと考えられています。 これらのハーブは体がストレスへ対処、気分の向上、スタミナやエネルギーレベルを高めるのに役立つことで知られています。またミルクアザミは、肝臓の毒素を取り除くのに役立ちます。
副作用や健康への悪い影響を受けないように、あなたの主治医や専門家の指示の元でハーブ療法やサプリメントをご使用ください。
重要な点は、喫煙によって生じた体全体へのダメージから身を守れる健康的な食事、栄養サプリメント、ハーブ療法は存在しないということです。これらのステップはもちろん重要ですが、健康リスクと悪影響を最小限にするだけです。あなたの体をこれ以上のダメージから守る方法はタバコを完全に止めることだけです。あなたは健康で、活気に満ち、病気のない人生を送る準備ができましたか?あなたにはその価値があります。
翻訳者: 千葉将臣
参考:
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- Joseph P. Green & Steven Jay Lynn. Hypnosis and suggestion-based approaches to smoking cessation: An examination of the evidence. International Journal of Clinical and Experimental Hypnosis. 2000
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- Mindfulness training for smoking cessation: moderation of the relationship between craving and cigarette use. Drug and Alcohol Dependence. 2013
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- Shoaib Afzal, Stig E. Bojesen, Børge G. Nordestgaard. Low Plasma 25-Hydroxyvitamin D and Risk of Tobacco-Related Cancer. Clinical Chemistry. 2013.
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